43.印。 ページ43
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私の言葉は伝わっているのだろうか。
面をつけたままだから、表情を窺うことは出来ない。
「オ前ノ香リ…。」
「香り…？」
まさか、こんな時に力が溢れだすなんて。
マズイ…どうしよう…！？
「印ツケル。俺ノモノダト」
「印って、」
右手に私を抱き抱えると、その人は口元部分だけ開くように仮面をずらした。これから何が起きるのか分からず焦る私。
男の人は汗で首元に張り付いた私の髪に触れ、そこに顔を埋めてきた。熱い吐息が鼓膜を刺激して背筋が粟立つ。
「…っ…！」
次の瞬間、痛みと甘い痺れ。首筋に歯を立てて強く噛まれ、痛みに顔をしかめる私に「てめェ、ぶった斬ってやる！！」と信の怒鳴る声。
「山の民はよほど平地の女が好みのようだな。だが、Aだけは渡す訳にはいかない。それ以上の無礼は俺が許さん」
「秦王ヨ。俺ハコノ女ガ気ニイッタ。渡ス気ハナイ」
ずらした仮面を元に戻し、今度は肩に担がれた。
暴れようにも非力な私の力では、とても太刀打ちできそうにない。
「王ノ元ニ案内スル。秦王ヨツイテ来イ」
「…わかった。全員下山して合流地にて王の帰還を待て！！これは王命だ！！」
「オイ、俺も下山させるのか？俺はお前の剣じゃなかったのか？Aが連れて行かれるんだ、俺も一緒に、」
「話し合いに剣は必要ない。それと、Aのことは心配するな。必ず連れ帰ってくる」
政の言葉にホッとしたのもつかの間。
皆が私を見る視線が痛い。不可抗力とはいえ、大勢の前であんな辱しめを受けるなんて。
赤くなった顔を皆に見られたくなくて、両手で顔を隠す。
「痛カッタカ？加減ガワカラナカッタ。今度ハAノ望ヨウニ優シクスル」
「ち、違うんです！恥ずかしくて…え、今度！？」
「アア。モット沢山体ニ印ツケテヤル」
私を担いだまま先頭を歩く男の人は、そんな事を口にした。
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ノア - 初めまして、この作品の王騎様と夢主の絡みが好きで毎月読み返しておりました。読み手に戻られることを考えていらっしゃるとお伺いしましたが是非とも見れる形に残しては頂けないでしょうか。毎回癒されながら拝見させていただいておりました。 (2022年8月3日 21時) (
レス) id: c471de6204 (このIDを非表示/違反報告)
( ´ω` )/(プロフ) - おもしろかったです。続きは見れないんですか？ (2022年7月31日 9時) (レス) id: 16f8a40083 (このIDを非表示/違反報告)
i05x09(プロフ) - 突然すみません。とても面白くて読み進めていたのですが、続きはもう読めないのでしょうか…？ (2022年7月30日 19時) (レス) id: a85be77842 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - 凌さん» 160�兪宛紊塙佑┐討�話し書いています。ですが、読者様のお好きな設定で読んでいただければ。コメントありがとうございます。 (2020年7月4日 10時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 主人公の身長はどのくらいですか？ (2020年7月4日 7時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2019年4月28日 0時
