1日目-5- ページ6
車が停車すると、素早くドアが開いた。
「着きました、どうぞ」
さっきと同じ男性が降車を促すと、途端に左馬刻さんは真顔に戻った。
「オラ、降りんぞ」
手を引かれて一緒に車を降りる。
私は繋がれた大きな手にドキドキしながらも、もしかして、爆笑してるのを部下さんに見られるのが恥ずかしいのかな、かわいいな、なんて思っていた。
が、私の手を引いたまま左馬刻さんが入ろうとする建物を見て唖然とした。
「…………！？？！？！？」
入り口のどぎついピンク色のネオンは間違いなく、「LOVE HOTEL」の文字を象っていた。
すぐそばの看板には「休憩」や「宿泊」の文字と、それに伴う値段。
「ちょ、さ、左馬刻さん……！？」
「黙ってろ」
なにやら慣れた手つきで光るタッチパネルを操作する左馬刻さん。
対する私は、初めて見るいかがわしいホテルを、呆然と眺めることしかできなかった。
「行くぞ」
「あっ……？！」
手を引かれ、エレベーターホールへ向かう。左馬刻さんは振り向きもしないで、ずんずんと進んだ。
「ちょ、ちょっと…！！」
エレベーターに乗り込む前になんとか止めないと、と思った。
しかし、それは断念せざるを得なくなってしまった。
「ハニー、早く行こう！僕達の愛の密室へ…！！」
「もうっ、ダーリンってばせっかちさん！……ちょっとお、早く乗ってくれません？」
私たちの後ろから来た、異常にいちゃつくカップルが睨みを利かせてきたからだ。
「あ、すっ、すいません……」
私は萎縮して、そそくさとエレベーターに乗り込んだ。
待って、なんで私、見知らぬカップルに萎縮してるんだろ…と情けなくなり、溜息が出た。
「フッ」
一連の流れを見ていた左馬刻さんに鼻で笑われてしまうし、踏んだり蹴ったりだ。
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矢野いと(プロフ) - 百面相さん» こちらこそコメントして頂きありがとうございます。とても力になります！完結まであと少し、お付き合い頂けると嬉しいです。よろしくお願いします！ (2019年5月20日 17時) (
レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
百面相(プロフ) - ストーリー物で唯一楽しみにしている作品です！ニヤニヤしながら見させて頂いています…。素晴らしい作品を有難うございます！ (2019年5月18日 22時) (レス) id: 5fbb166415 (このIDを非表示/違反報告)
矢野いと(プロフ) - ぱぴぷぺっぽー！さん» そう言ってもらえると嬉しいです。頑張ります！ (2019年4月28日 9時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴぷぺっぽー！ - おぁぁぁあ！！！！！凄い好み！この小説！！！更新頑張ってぇぇ！！ (2019年4月24日 19時) (レス) id: 73667381e3 (このIDを非表示/違反報告)
矢野いと(プロフ) - すずさん» ありがとうございます！励みになります(^-^) (2019年4月20日 19時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：矢野いと | 作成日時：2019年4月9日 12時
