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再体験 ページ24

Frisk side

消毒液のような匂いが充満する無機質な部屋の中、
胸の前で手を組み合わせたSionは
事切れたように眠っている。
閉じた瞼の皺からは深い哀愁が感じられた。

「…取り敢えず彼女は一時的に眠らせたよ。」

「Sansは今頼れないから…ありがとうございます。」

ぺこり、と頭を下げると
君達も大変だねぇ、なんて
随分とのんびりとした返答が返ってきた。

「再体験といってね、本人の意思とは無関係に
恐怖心に音や匂いなんかの僅かな刺激で
その時の光景や感情が思い起こされたりするんだ。」

君達の前で倒れたのは恐らくそれが原因だろうと
Gaster博士は一人で頷いている。

「…君達もこれなら聞いた事があるんじゃないかい?
例えば──フラッシュバック。」

恐怖体験が引き金で
その体験時の身体感覚が蘇るんだっけ?
博士によれば、フラッシュバックも
外傷の再体験の部類に属しているらしい。

「Sans君と大喧嘩してるそうじゃないか。
きっと君達と同じでSans君も
彼女が触れられたくない"何か"に触れたんだろう。」

Sionが触れられたくない、"何か"。

今回初めて僕らは、それに触れた。

Sionが今まで隠してきたであろう
"何か"に触れてしまったから、
今回はこんな騒動が起きてしまったのだろうか。

「…突然人が変わったようになったのも
僕らがその"何か"に触れたからですか?」

「十中八九、そうだろうね。」

可能性としては殆どじゃないか…と
床に膝をつき、項垂れるChara。
本人も取り乱した、と言っていたし
トラウマに触れた事が少しだけ
後悔になっているのかもしれない。

SionはSansの行動によって
再体験した事で、本人に対して怒りを露に。
SansはSionが大切であるが為に
彼女を思っての心配を行動として露に。
お互いの意見を交わさなければ、
どちらも理解しようのない内容だというのに
現状は、お互いに拒否しあってしまっている。
これじゃあ、収拾がつかないどころか
破局するやもしれない事態だ。

…流石にそれは避けたい。彼らの良き友人として。

同じ気持ちだったのか、
Charaは僕の意思を汲み取ったかのように
絶対関係修復させようね、と笑っていた。

隠しているモノ→←過去と罪過を



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クロセ(プロフ) - はじめまして!続きを楽しみにしてます! (2020年6月2日 23時) (レス) id: c80b4d78c0 (このIDを非表示/違反報告)
きりにゃー - ロイヤルガードさん、タイミングう! (2020年3月4日 1時) (レス) id: 9df501902d (このIDを非表示/違反報告)
イザヨイ - 名前カタカナになってますが十六夜です!(汗) (2020年2月4日 17時) (レス) id: 447a13bfc7 (このIDを非表示/違反報告)
イザヨイ - いえいえ!大丈夫ですよ!仕事が忙しくこちらも返信できずすいません!時間があるたびに見に来ます!!((オイ (2020年2月4日 17時) (レス) id: 447a13bfc7 (このIDを非表示/違反報告)
零ノ花(プロフ) - 十六夜さん» 返信遅くなってしまいすみません。今時期は様々な用事がありロクに更新出来ずにいます。途中で作品を放るつもりは更々ありませんのでお時間が空いている時にでもまたいらしてください。 (2020年1月8日 18時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零ノ花 | 作成日時:2019年7月15日 14時

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