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卑怯な手 ページ19

ザクザクと雪を踏みしめながら歩く。
頭の中で未だにこだまするSansの声は
過去の記憶を引きずり出して、私の中で暴れていた。

─お前は大人しく操られてろ。

「─煩い。」

黙れ。私はお前の人形じゃない。
操り糸はこの世界に来た事で断ち切られただろ。
言いなりになんか絶対ならない。

─Sionの為に私は言ってるんだよ。

何が私の為だ。お前の為だろうが。
私の事なんて微塵も考えてない癖にそんな発言するな。

吐き出す息は荒く、まるで獣みたいだ。
あぁ、もう。煩くて敵わない。

「──Sion?」

背後から聞こえた声に振り向く。
そこにいたのは息を切らしたFriskだった。

「探したんだよ。
─Sansと喧嘩したんだって?」

あれだけ暴れたら情報行き渡るのもそりゃ早いわな。
Papyruが騒いだ事もあるだろうし、
下手すればSnowdin一帯には知れ渡ってるかも。

「──したけど、それが?」

「…話、聞いても良いかな。」

そう言って着実に近付いてくる
Friskに対し更に神経を尖らせる。
こういう時は大概、何かを仕掛けてくるからだ。

「─左手に隠してるヤツ、何。」

いつもなら感じない少しの変化に気付き、
そう問えばFriskの表情はあからさまに変化した。

「……よく気付いたね。」

此方に見せないように隠して近付いてきていた
Friskの左手には黒い箱のような─スタンガン。
…それで意識を奪うつもりだったのかな。
なんて物騒なモノ持ち歩いてるんだよ。

「強制的にでも、どこか連れてく気だった?」

「じゃないと君、絶対来ないでしょ。」

やっぱり近付いてきた所で
意識を奪うつもりだったんだな。
生憎だけど苛立ってる今、神経も尖ってる為に
普段目のつかない部分まで
気になるようになってしまってるんだ。

「バレちゃったら仕方ないね。
君が僕の手を取る事を信じる(・・・・)しかないや。」

…その言葉は、狡い。
信じる、なんて…私はどうすればいいんだよ。

「…卑怯者。」

「知ってる。」

にこりと微笑みを崩さないFriskは
そのまま此方へ近付いて、私の手を取り歩き出した。

場を切るような→←真相とは



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クロセ(プロフ) - はじめまして!続きを楽しみにしてます! (2020年6月2日 23時) (レス) id: c80b4d78c0 (このIDを非表示/違反報告)
きりにゃー - ロイヤルガードさん、タイミングう! (2020年3月4日 1時) (レス) id: 9df501902d (このIDを非表示/違反報告)
イザヨイ - 名前カタカナになってますが十六夜です!(汗) (2020年2月4日 17時) (レス) id: 447a13bfc7 (このIDを非表示/違反報告)
イザヨイ - いえいえ!大丈夫ですよ!仕事が忙しくこちらも返信できずすいません!時間があるたびに見に来ます!!((オイ (2020年2月4日 17時) (レス) id: 447a13bfc7 (このIDを非表示/違反報告)
零ノ花(プロフ) - 十六夜さん» 返信遅くなってしまいすみません。今時期は様々な用事がありロクに更新出来ずにいます。途中で作品を放るつもりは更々ありませんのでお時間が空いている時にでもまたいらしてください。 (2020年1月8日 18時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零ノ花 | 作成日時:2019年7月15日 14時

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