検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:36,042 hit

本性 ページ16

Sans side

ごめん、と小さく呟いた後Sionは
壁を背にずるずると座りこんだ。
あまりにもその沈黙が長すぎるから、
意識を失ってるんじゃないかと思う程だった。

「─おい、Sion……?」

あぁ、そうだった。
カッとなり過ぎていて、気にも止めなかったが
俺は、Sionを壁に叩きつけたんだ。

その時に怪我しちまったのか─?

一度考えたら、血の気が一気に引いていった。
慌てて駆け寄って、Sionの手を取ろうと─

「───触んな。」

伸ばした手は乱暴に弾かれた。
唸るような低い声と共に、Sionは立ち上がる。
表情は、長い髪で隠れてしまって見えない。

「…悪いけど、私人形じゃねえから。
大人しく言う事を聞くとでも思ってたか?」

ゆらりと立ち上がったSionは、
今までに聞いた事の無い、乱暴な口調で話し出す。

「お、おい、Sion…?」

戸惑いを隠せずにいる俺を嘲笑うように
Sionは薄ら笑いを浮かべていた。

「何だよ。…あぁ、分かった。
こんな喋り方だから、驚いてるんだな?」

見透かしたように笑うSion。
その表情は依然のSionを
全く思い起こすモノじゃなかった。

「誰かに対して従順に従ったりなんて
…誰が、好き好んでやるもんかよ。
思われてる程私は【良い子】じゃないしな。」

ケタケタと可笑しくて堪らないとでもいうように
Sionは声を上げて笑ってみせた。
その顔は全く別人のモノだ。

「それが人に反省を表す態度か?
【悪い子】はどうなるかくらい…分かるよな?」

威圧するように敢えて低い声を出すも
Sionは驚いた様子も感情もが微塵も無い。
まるで、威圧される事に慣れているみたいに。
これは……手こずりそうだな。

「それで威圧したつもりか?
アンタみたいな過保護野郎、全く怖かないね。
─さっさとやろうぜ?」

「…クソ妹が。」

その言葉を合図とでも言わんばかりに、
俺はSionを殴りつけた。

壮絶な兄妹喧嘩→←子供の戯言



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (61 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
75人がお気に入り
設定タグ:undertale , sans , トリップ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

クロセ(プロフ) - はじめまして!続きを楽しみにしてます! (2020年6月2日 23時) (レス) id: c80b4d78c0 (このIDを非表示/違反報告)
きりにゃー - ロイヤルガードさん、タイミングう! (2020年3月4日 1時) (レス) id: 9df501902d (このIDを非表示/違反報告)
イザヨイ - 名前カタカナになってますが十六夜です!(汗) (2020年2月4日 17時) (レス) id: 447a13bfc7 (このIDを非表示/違反報告)
イザヨイ - いえいえ!大丈夫ですよ!仕事が忙しくこちらも返信できずすいません!時間があるたびに見に来ます!!((オイ (2020年2月4日 17時) (レス) id: 447a13bfc7 (このIDを非表示/違反報告)
零ノ花(プロフ) - 十六夜さん» 返信遅くなってしまいすみません。今時期は様々な用事がありロクに更新出来ずにいます。途中で作品を放るつもりは更々ありませんのでお時間が空いている時にでもまたいらしてください。 (2020年1月8日 18時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:零ノ花 | 作成日時:2019年7月15日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。