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散々クラスのみんなと売り込みをして、先輩からも来校者からもすごいねって褒めてもらって、本当に初めての体験ができた。
〈井上ありがとう！〉
〈おかげで、売り上げも上がったし、これはクラス賞も狙えるな。〉
〈好きなドリンク選んでいいよ！〉
そんなことを言われて貰ったメロンソーダフロートを右手に会場を練り歩く。
後夜祭まではあとちょっとだし、片付けはいいよって言われてクラスの子たちにも一緒にまわろ？なんて誘われたけど、嶺亜と後で落ち合うことになっていたから断った。
1人、後夜祭前で売れなかった商品を無料で渡したり、安く売り払っているようなアウェイな空間を歩く。
〈あれ、瑞稀くんじゃん！食べてってよ！〉
生徒会の演劇の影響なのか、たくさんの人に声をかけられていろいろ渡される。
余った売り物とか、焼きそばとか綿飴とか。
お陰で、お腹も手荷物もいっぱいだ。
遂には疲れ果てて、座り込んでしまった。
今日は、いや、嶺亜に出会ってからいろんなことがあったな、、、
1人の時にすることなんて、瞑想とか妄想とかばっかりで、それは俺が変わっても変わらないことの１つだった。
それからしばらく座っていた時だった。
？：瑞稀くん。
上から俺だけを呼ぶ声が聞こえる。
フッと考えなしに頭を上げるとそこにはこの間、俺に告白してきた彼女がいた。
松木：久しぶりだね。
井上：うん、、、
今更なんなんだろう。
なんて思っても声には出なかった。
彼女はそのまま俺の隣に座ると俺の腰のあたりに腕を絡めてきた。
松木：ねぇ、瑞稀くんは私を振ったこと、後悔してない？
井上：え、？
彼女を振ったことを後悔してないかって？
なんでそんな簡単なことを聞くんだなんて小首を傾げながら、俺は深く頷いた。
松木：そう。
その姿を見ると諦めたのか、彼女はスックと立ち上がると俺の手を勢いよく引いた。
井上：え、？ちょ、まっ、、、
その瞬間、抱えていた全てのものが滑り落ちて、俺は身一つになってしまう。
戻ろうとしても力が強くて振り払えなくて引きずられるかのように屋上まで連れてこられてしまった。
ここで何をされるのか、想像もできなくて怖かった。
ものすごく大きな音を立てて、簡易電灯が点灯するまでは。
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森の向かい風 - お話大好きで読ませてもらってます!!続きが気になります。更新頑張ってください!! (2021年11月8日 22時) (
レス) @page22 id: 500150795e (このIDを非表示/違反報告)
みみ - お話楽しく拝見させていただいております！更新頑張ってください！！ (2020年11月5日 0時) (レス) id: f49bba5d33 (このIDを非表示/違反報告)
あおいろ(プロフ) - セイナさん» 更新サボっていてすみませんでした！そう言っていただけて嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2020年8月16日 18時) (レス) id: 7095de8d74 (このIDを非表示/違反報告)
セイナ(プロフ) - 始めまして、この話し面白いです！更新頑張ってください！ (2020年7月26日 18時) (レス) id: 8317e2a2c1 (このIDを非表示/違反報告)
あおいろ(プロフ) - マロさん» そう言って頂けて嬉しいです。ありがとうございます！ (2020年6月23日 7時) (レス) id: 7095de8d74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおいろ x他1人 | 作成日時：2020年6月2日 17時
