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二人の時間 ページ6

「大ちゃん、して?」


お疲れのところ、手は出せないと思いとどまった俺を無視していのちゃんは腕を伸ばしてきた。


「え?明日は?」

「そんな早くないから、平気」


いのちゃんから言ってくるなんて珍しいことだ。


…と、言っても二人とも疲れてるときはしないし、忙しいときはなんとなく察するし、お互い欲しくなるタイミングってだいたい同じだし。


つまり、言葉はいらない関係なのだ、俺たちは。


だからいのちゃんからのおねだりなんてレアで嬉しくて…悪戯心が湧いてしまう。


「俺が欲しくなったの?」

「ばっ…そう言ってるじゃん」


恥ずかしがり屋のお姫様は顔を隠そうと俺の胸に擦り寄った。


…これって計算?
いのちゃんが欲しくて高鳴る心臓に、近寄られてはたまったもんじゃない。


「ねぇ、だったらいのちゃんから誘ってよ」

「はぁ〜?」


耳元で囁くと、文句を言いながらも腹を括ったようにもそもそと起き上がった。


「大貴、抱いてけろ!」


ばっ!と勢いよく着てるTシャツを捲りあげたいのちゃん。


ネタに走ろうとした割に少し耳が赤い。


俺の好きな胸は外気に晒されて熟れた果実のように俺を誘ってくるし。


とっくにその気だけど、いのちゃんをもう少し虐めたい。


「だめだなあ〜もっと可愛くさあ〜」

「え〜…」


俺が指摘すると再度隣に横になったいのちゃん。


「大ちゃん、しよう?♡」


お得意のぶりっこポーズで最大限の可愛さを発揮してくる。


正直、クリーンヒットだけど…


「だめー、あざとすぎ」

「はぁ?」


呆れたようなため息と共に少し考え込むいのちゃん。


「じゃあさ、そこ座って?」


ヘッドボードに誘うと、そっと跪いて俺のズボンに手をかけた。


「大ちゃんはじっとしててね?」


片耳に髪の毛をかける仕草が色っぽくて直視できない。


いのちゃんはちらりと俺を見やってから、中心に口付けた。


「…っ、」


こんな積極的ないのちゃん、なかなか無い。
そもそもさせないし…。
俺に奉仕しながら上目遣いないのちゃんが刺激的すぎて目眩がしそう。


あー、写真撮りたい…


「らいちゃん、はにふぁんはえてんの」

「え?」

「…ん、大ちゃん何考えてんの、集中してよ…」


そんなこと言われたって、こんな状況、ゆっくり堪能しないほうがおかしいし。


「ん、けい…」


頭を撫でてやると、嬉しそうに目を細めてより奥に俺を迎え入れる。


「そー、上手」


…はぁ、今夜は止まれそうにありません。

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作者名:ららりる | 作成日時:2020年10月4日 21時

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