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ふたりのナイトルーティーン ページ21

「大ちゃん、髪乾かして〜」


パジャマ姿で意気揚々とドライヤーを持ってきたいのちゃんが言った。


「またぁ〜?ほぼ毎日じゃん…」


なんて言いながらもスっと受け取って、いのちゃんのふわふわの髪に当てる。


めんどくさがりなお姫様は嬉しそうに目を閉じた。


俺も風呂上がったばっかだし、一緒に乾かせばいっかって、毎回受け入れている。


半同棲から同棲へ。
二人で住むと決めたものの、物件を新しく借りるのはまだ早いと、俺の家に一緒に住んでみることに。


毎日一緒に居ても飽きないし、二人の時間はずっと寄り添ってお喋りしてしまうので、夜更かしが増えた。


それでもいのちゃんと眠れば疲れなんて吹っ飛んでしまうのだから良いことづくしだ。


…強いて言うなら、一人の時間がめっきり減ったのが難点で。


「ね、大ちゃんのドラマリアタイしよ?」


…出た、コレ。


半同棲のときは一人の夜にしていた録画チェックの時間が取れなくなった。
加えていのちゃん希望の番組を一緒に観る機会が増えた。


「ふっ、女と目合わせられない大ちゃんかわいー」


可愛いリアクションが横で観られるのは最高なんだけど、俺は本当はめ〇ましテレビとか観たいわけで。


いのちゃんは俺の番組を観たいって言うときは必ずリアタイだし、一緒に観ようって言ってくるのも可愛い。


だけど俺が突然「ねぇ、め〇ましの録画観てもいい?」なんて言えばどうなるだろうか。


…想像しただけでキショいし恥ずかしい。


先々週から溜めちゃってるなぁ、いつ観よう…なんて思ってるうちにドラマは終わろうとしていて俺たちの主題歌が流れている。


「今週も面白かった〜、大ちゃんやっぱ演技上手だし」

「そりゃどうも。…じゃ、寝る?」

「あの、言いにくいんだけど」


遅い時間だし、寝ると思ったんだけど…いのちゃんは何故かモジモジしている。


「同棲するようになってから、俺の録画チェックの時間無くなっちゃってさ、」

「うん?」

「ヒ〇ナンデスの録画貯まってて…大ちゃん先に寝てていいから観てもいい?」


恥ずかしそうに上目遣いで言ってくる。
…なんだ俺と同じじゃん、でもいのちゃんが言うだけでこんな可愛くなんの?


「あの、言いにくいんだけど俺もめ〇ましの録画貯めてんだよね」

「観てくれてんの?」

「当たり前じゃん」


俺らやっぱ似てんね?一緒に観よっかって二人して笑った。
俺には恥ずかしいことも可愛く言えちゃういのちゃんには頭が上がりません。

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作者名:ららりる | 作成日時:2020年10月4日 21時

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