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古い階段はあたしが一歩歩みを進める度、ぎしぎしと不安な音を立てる。別に、あたしが重いわけじゃない。と信じたい。

まあ、重いとしても角があるからだろうし?街の女の子はあたしよりもっとふくよかな体つきだったし。

天井と壁の角には蜘蛛の巣がかかっていて、一階以上にほこりっぽい。けふんと小さく咳き込む。さっきまでほこりはともかく、こんなにぼろい感じじゃなかった。手入れがなってない。


「(やっぱし、ただの空き家なのかな)」


自分で言うのもあれだけど、あたしの勘は人並み外れてると思う。ほんとに。いや鬼だけども。

この前の声も空耳ではないし、お宝ではなくとも何かありそうな気はしたんだけどな。

前は案の定何もなかったし、漆花や夜鬼を待たせるのもアレだし。人間と関わりを持ってから、感覚が鈍くなってる気もする。

そもそも人間とあたし達だと、人数も圧倒的にあっちが勝つ。いくら鬼が強靭な存在だとしても、流石に我らの気が侵食されていってるのかもしれない。

『酒に呑まれても他に呑まれるな』とはあたしの考えた、鬼の座右の銘とも言っていい言葉。なかなか才能の光る作品だと思う。

あのアホ共が街に出たせいで人間に呑まれる前に、ぼちぼち先手でも打たなければならない。


…あいつら都、別の場所に移す予定ないのかな。



「……と、ついた」


床が抜けないか心配ですそろりそろり歩いてたこともあって、階段を上りきるのだけで結構な時間がかかってしまった。

漆花達、今ごろ市場見つけたのかな。あたしんこと忘れて買い物してそうだな…。男にたぶらかされてないか心配だな……。夜鬼しっかりしとけよ。

ほこりのせいですっかり黒くなってしまった着物の裾を、かがんである程度払う。


「(掃除しとけよー…)」

いつもの元気が削がれるくらいやな雰囲気の部屋。案の定暗いし、ほこりっぽいし。

でも、一つだけ下の階と違う所があった。

「あ、窓だ」

円い形に切り抜かれ、綺麗な装飾の施された小窓。そこだけが青い空を切り取った絵画のように見えて、すごく綺麗。

へえ、と目を見張るのと同時に、もう一つの何かを瞬時に見つけ、そして理解する。

小窓の下に、何か影が見える。それは少し怯えているようにも、こちらに対して好奇の目を向けているようにも見える。


……まずまちがいなく、人間だった。

こんなところに、なんでだ。

色々な疑問が頭を通りすぎて行くけど、あたしは呆然とその影を見つめていることしかできなかった。

鬼→←鬼



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作者名:ひすい | 作成日時:2020年12月1日 18時

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