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ページ21

「ねえね、桜ちゃんはいつもここにいるの?外には出ないの?」

「使用人の方に出てはいけないと言われているのです。外界への興味はとてもあるのですが…」

「ふーん、そう」


桜ちゃんに膝枕されながら、漆花が質問攻めにかかる。その間、あたしと夜鬼は揚げ菓子をつまみながらそれを眺めていた。

適当な返事を返した漆花だけど、徐々に眉をひそめて、怪訝な顔をする。

「桜ちゃん、何で出ちゃだめなの?その人間は出てるのに」

「…漆花」


夜鬼が咎める。漆花の目付きがあからさまに鋭くなった。


「ぼく、外に出ちゃだめなんて紅に言われたことないよ。桜ちゃんはその人間に何でかって理由聞いた?」

「いえ、聞いたことは一度も…。ただ、そういう決まりなのだと思います」

「何でそんな決まり守るの。桜ちゃん外に出たいんでしょ。全部決まりで終わっていいの。桜ちゃんここで死んでいいの?」

「え、ええ…?」


急に機嫌の悪くなった漆花に困惑する桜ちゃん。村の風習で棄てられた彼女には、「決まり」という言葉がキツかったらしい。

睨みを利かせる漆花の口から、だんだん犬歯が見え隠れするようになる。あ、まずいやつだこれ。


「ねえ桜ちゃん。ぼくね、紅に助けてもらったんだ。決まりで死にそうになってたの。だから、決まりで繋がれてる桜ちゃんも一緒においでよ」


夜鬼が真っ青になってこっちを見てるけど、あたしにはどうしようもない。桜ちゃんは怯えてる様子はないけど、目の光が消えた漆花に、戸惑いが露になっている。

静止した桜ちゃんの頬に漆花の手が触れる寸前、バチッと音がして、何かが光った。


「ッ!?」

瞬間、漆花が吹き飛ばされて床に転がった。桜ちゃんの目の前が、白くパチパチと光っている。本人も全く理解が追いついていないらしい。


「漆花ちゃん!?」

「……いたい…う、何?」


桜ちゃんが駆け寄って、手を添える。漆花はすぐ目を開けて、ぱちぱちと瞬きを繰り返した。我に帰ったのか、目にはもとの光が宿っている。


「え、今何したの!?」

「それが、私にも分からなくて…」


あたしが聞いても、みんな混乱するばかりで。どうしよ…

しばらくはてなを浮かべていた桜ちゃんが、ふと気づいたように顔をあげた。そして空に向かって一喝。


「爛!あなたでしょう!?話があります、出てきてちょうだい!」

初めて聞いた、桜ちゃんの怒声だった。

鬼→←鬼



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作者名:ひすい | 作成日時:2020年12月1日 18時

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