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ページ19

「こちら、漆花といいます。ぼくって言ってるけど、見た目の通り女の子だからね。それで、こちらが夜鬼。どちらもあたしの仲間だよ」

「そうなのですね」


二人を手で差しながら説明。桜ちゃんは案外すんなりと受け入れてくれた。


「私(わたくし)、桜と申します。お会いできて光栄です。どうぞ楽にしてください」


きちんと向き直って、丁寧に二人におじぎする桜ちゃん。一人称もわたくしに変えた。すぐさま漆花が反応する。


「そんなぎょうぎょうしくしなくていいんだよ?ほら、顔あげて!」

「そうですか?すみません…」

「ああもう!謝るのもやめてよ。桜ちゃん悪いことしてないでしょ」


ぎゅうっと抱きつきながら言う。あたしよりも身長の低い漆花にくっつかれて、上目遣いで見上げられたら、もうたまらない。桜ちゃんも顔を赤く染めて、戸惑っているご様子。

初対面でここまで密着できる鬼、中々いないと思う。


「ね、紅さん」

「どうした?」

「漆花が人間相手にあんなにするのって、初めて見ました」

「あー……」


漆花は人だった頃に棄てられていたのを、あたしが拾った。

ぶるぶる震えて怖いものを見るような目で見上げてきたのを、今でも鮮明に覚えている。

そこには、憎悪と嫌悪、悲しみに恐怖に寂しさと、いい感情なんてちっとも込もっていなかった。

後で聞けば、そのときはあたしのことを贅沢に髪を染めた人間だと思っていたらしい。人間じゃないと分かった途端妙に警戒を解いてくれて、そこから徐々にではあるけど心も体も成長して、今に至る。

漆花は人間を酷く嫌っている。漆花は自分から鬼にしてくれと、何十年も前に言った。目はそのとき変色して、夾竹桃のような桃色になった。
夜鬼が言うには、市場でも商人に対して棘のある態度を取っていたらしい。そんなことせずに笑ってたら可愛いのに。


「何で桜さんにはすぐなついてるんですかね」

「さーあ。あたしが友達だからじゃないかな。それか、目と髪の色」

「あー…」


きゃっきゃとじゃれあう二人を見てると、心が和む。目の保養。夜鬼は眩しそうに見つめているけど。


「桜ちゃん大好き!」

「私も漆花ちゃんが大好きです」

鬼→←鬼



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作者名:ひすい | 作成日時:2020年12月1日 18時

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