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「ううん、全然おかしくないよ!あたしだって頭領とかお頭とかしか呼ばれたことないから、自分の名前知らないんだ!」

「そうなのですか」


わざとらしく元気に答えると、女の子の表情は幾分か明るくなった。


「あたしたち、似た者同士だねえ。人と違う目と髪をして、名前を知らないなんて。二人いるんだから、おかしくないよ」


確かに他人から見たらへんな奴かもだけど、少なくともあたしからこの子を見たらへんな奴じゃない。それに、この子からあたしを見たって、へんな奴じゃなくて似た者同士のはず。


「……あ、そろそろ行くね」

なんか今出ないと本当に怒られそうな気がする。女の子そう告げると、お怪我はなさらないようにお願いしますと逆にお願いされた。


「そうだ。最後に、あたしから君に名前つけてもいい?あだ名でもいいから」

「いいのですか?私は構いませんが」


ちょっと冗談で言ってみただけなので、了承されるとは思ってなかった。


「え、まじで?じゃあ……『桜』。桜ってどう?」

「桜、ですか」

「そう!ほら、この窓ならすぐに見えるでしょ?あっちの桜も綺麗だし、こっちの『桜』も可愛い!だから桜。気に入らない?」

「……いえ、すごく気に入りました。ありがとうございます」


女の子はあたしが問うと、少し口で復唱してから、すごく嬉しそうな顔をした。大事そうに桜、桜と繰り返す。


「じゃあ、私からもいいですか?あなたの名前というか、愛称というか」

「うん」

「じゃあ……紅で如何でしょう?」

「こう?何で?」

「ほら……あそこに立つ木、百日紅というんです。今は咲いていませんが、あの木の夏につける花の色が、あなたの着けている髪飾りに似ているので」

「ほう…すごい深い」


感心していると、桜はさらに続けた。


「百日紅は、長く花が咲き続け、色褪せないことで知られています。あなたの元気がいつかなくなってしまわぬように、という願いも込めてこの由来です。お気に召しませんか?」


……なんか、あたしの理由が申し訳なくなるほど良い名前なんですけど。


「ううん、すごい嬉しい。桜ちゃん、ありがとうね」

「いいえ!紅ちゃん、また来てくださいますか?」

「うん、もちろん。じゃ、今度こそほんとに行かないとだから、ごめん!またね!」


窓から身を乗り出して、そのままくるっと宙で一回転して着地する。

まあ!と感嘆の声が聞こえたけど、振り向かずに手を振って、そのまま市街地へと走った。

鬼→←鬼



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作者名:ひすい | 作成日時:2020年12月1日 18時

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