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平城京。この時代、最も栄えたとされる、政治の中心地である。

人々によって市が開かれ、全国各地の名産品が買われるのを今か今かとばかりに待つ。

安い安いと売り文句を飛ばしながら商業相手と競う店主も、おめかしをしてきゃあきゃあ言いながら着物を見定める少女も、そこらじゅうを我が物顔で走り回る子供達の唄も。何一つ、いつもと変わらない光景だ。

そんな人間の賑わいを樹齢幾千年の大樹の枝に座り、つまらなさそうに眺める者がいた。

蒼い髪を腰まで伸ばした長髪に紅い髪飾り。髪は下へ行くにつれて色素が薄くなっていて、背中辺りからは完全に白い。

それに藤の花のようにもとれる青かかった紫の瞳。年はまだ十八、十九程度の少女に見えた。

頭には二本の大きな角が、斜めに生えている。形の良い唇からは、鋭い犬歯がちらちら見え隠れしていた。

気の強そうな顔立ちをした少女………鬼は、腕をぶらぶらと好きにさせながら、人間を眺めていた。


「あーもう、いっつも同じ景色ばっかりでつまんない」


彼女はずっと前からここに棲んでいる、『鬼』だ。

都がここになるよりも前からずっと見ていた景色。

都ができたばかりの頃は、それこそ新しい発見ばかりで毎日飽きなかったものだが、半年もするとどうしても日常となってしまう。非日常の変化に嫌気が差すわけでもないが、色づいていた日々が一気に興醒めした気がして、鬼はつまらなかった。

ぼーっと人の行き交いを見ていただけの鬼は、ふとぴんと何か妙案を思い付いたような表情を浮かべた。



「………今日くらいは山から出てもいいかな?いいよね」


人よりちょっと力が強くて角が生えてるだけなんだから、と自分一人で納得する。角が生えてる時点で大問題な気もするが、刺激と娯楽に飢えていた鬼にとっては知ったこっちゃない。


「角は隠したらなんとかなるよね。あとは……おめかし?」


頭の中で着々と準備を進めていたものの、彼女には『おめかし』というものが分からない。

結局その単語は適当に頭に閉まって、彼女はそのまま山へ出ることにした。

鬼→←プロロオグ*鴉*



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作者名:ひすい | 作成日時:2020年12月1日 18時

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