検索窓
今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:49,858 hit

37. ページ37

.




予想に反して、永瀬はくつろいだ表情をしていた。



数時間前に栗木さんの顔を思い切り殴った男とは思えないほど、リラックスしている。





膝の上の白猫は、丸く、温かく、悪意から最も遠いところにいた。


ぐるるる、と喉を鳴らす音を聞いて意味もなく感動してしまう。

嫌でも優しい気持ちになる。






「栗木さんな、永瀬のこと訴える、言うてた」

「そうか。」


永瀬の表情は変わらなかった。
変わらず、手にすり寄ってくる猫たちを撫でている。




「なんで、そんなに強く殴ったん」

「言うたやろ、猫を苛めたから。」

「でも、あんな強く殴らなあかんかったん?栗木さん、何ヶ月かは鼻固定せなあかん言うてたよ」

「悪いことしたなぁ」

「……永瀬。」





私の膝の上から、白猫が音もなく降りる。

あまりに軽くて白いから、永瀬の魂みたいだった。




「ほんまのこと、聞かしてよ。なんで殴らなあかんかったんか」






永瀬はしばらく、目を伏せてじっとしていた。



永瀬のそんな表情を見たのは初めてだったが、私は何を聞いても驚かない自信があった。






初めて、永瀬のことを知りたいと思った。

私の、大切な友達。







「………この猫は、」

永瀬の声は乾いていた。

38.→←36.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (83 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
402人がお気に入り
設定タグ:平野紫耀 , 永瀬廉 , King&Prince
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ふてぃか(プロフ) - 忙しいと思いますが更新待ってます ! (2019年8月16日 17時) (レス) id: 6381a07ad2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:琉叶 | 作成日時:2019年3月24日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。