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27. ページ27

「もしもしっ?永瀬?聞こえてる?永瀬!」

「聞こえてるわ(笑)相変わらずうっさいなあ」

「その、女の人は大丈夫なん、どうしてはるん今」

「今は、泣いてる。めっちゃ」

「泣いてる…怪我は?」

「鼻血、出てる」

「そんな殴ったん、」

「うん。一回だけ」




淡々と事実だけを私に伝える永瀬が、怖かった。




とりあえず早く行かないと、とそれだけに必死だった。


壊れそうなぐらいスマホを握りしめて、もう片方の手はタクシーのドアの取っ手を乗り込んだ時に掴んだまま、離すのを忘れていた。





「なんで、殴ったん、」

「………」

「言いたくない?、もうすぐ着く、駅」

「……苛めたから。」

「えっ?なんて?あっ、もうお釣り大丈夫です、ここで降ります」





ドアを開けてもらうのも待てずに道端に転がり出た。

一瞬左右がわからなくて、一人でくるりとまわって、永瀬の家の方向に走る。



引っ掛けただけのスニーカーが脱げそうだった。
ばちゃばちゃと汚い音がする。





「永瀬っ、なんて?さっき…なんで殴ったって?」

「苛めてん。」

「苛めた?永瀬を?」

「ちゃう。猫を。」

「ねこ?永瀬、ねこ飼ってるん、」

「うん。」




言ったきり、電話は切れてしまった。無機質なツー、という音だけが耳にこびりつく。



思えば、私は永瀬のことを何も知らない。
職業や名前や年齢などの最低限の情報しか知らないことに今更になって気づいた。





やのに、なんで今こんなに必死になってるんやろう。





はぁ、と切れた息がなかなか戻ってこない。
みぞおちがキリキリと痛んで、何度もしゃがみこみそうになった。

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作者名:琉叶 | 作成日時:2019年3月24日 1時

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