EPISODE7-43 歓談クランブル! ページ48
ミッキーと話していると、グリムはある疑問を投げる。
「そういや、ミッキーはどうやってここに来たんだゾ?この部屋、ドアも開かねーし、窓もふさがってる。オレ様たちは気づいたらここにいて、どうやって来たのかよく覚えてねーんだ」
「ここに来る時はいつも、ベッドで寝ている僕からすぅっと“もう1人の僕”が抜け出すんだよ」
「意識だけが体から抜け出すってこと?」
「そうそう!それで、僕の部屋の暖炉の上にある大きな鏡を通り抜けると、この部屋に来ることができる」
「鏡から出入りするなんて、ナイトレイブンカレッジの寮みてーだな」
暖炉の上の鏡を見て、ミッキーは肩を竦めた。
「起きている時はチャレンジしても、鏡は通り抜けられなかった。この部屋に来られるのは僕が眠っている間だけみたい」
「ん?ちょっとまてよ。……つーことは、今ミッキーは寝てるってことか?」
「うん。“僕”はこうして起きているけど、“僕の体”はベッドでぐっすり眠ってるはずさ」
「じゃあ、今の私やグリムは意識だけの存在ってこと?」
「ええーっ!?じゃあオレ様の体はどこいったんだゾ!?まさか、ディアソムニアに置いて来ちまったのか!?」
「幽体離脱どころか、最悪これは……」
私たち全員、“本物の”幽霊になっているかもしれない……?
嫌な想像をして、背筋がぶるりと震えた。
「ふな……一緒にいたエースたちはここには来てねぇみてーだし……これからオレ様たち、どうすりゃいいんだ?」
「えっ?一緒にいたはずの友だちがいないのかい?」
「そんなところね」
「それは心配だね……もしかすると、近くにいるかもしれない。外に出て捜してみよう」
「でも、部屋のドアは開かねぇんだゾ」
「1度きりのチャレンジで諦めちゃダメさ!ひとりじゃどうにもならないことも、友だちと力を荒らせれば解決できる」
まるでロイヤルソードアカデミーの生徒と同じことを言ったミッキー。
でもそれが善意の押し付けじみたものではない本心に、私が口を開こうとした時、ジリリン!ジリリン!と別のテーブルの上に置かれたレトロな卓上電話が鳴った。
「あっ!この音は……」
「オイ、ミッキー!オメー、ゴーストみてぇに体が透けてきてるんだゾ!」
「どうしよう!きっともう朝になったんだ!僕の体が……目覚め………」
透明になっていくミッキーを急かすように、電話が鳴り響く。
ジリリン!ジリリン!ジリリン!と。
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ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます! (6月1日 14時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。42ページの【森】が【盛り】になっていました。 (6月1日 13時) (レス) @page42 id: 7e57969e52 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - ああ、確かに似てますね! (5月29日 16時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 来ました!更新!メインストーリーを読んでいると、鬼滅の刃無限列車編みたいだなぁと思いました。 (5月29日 14時) (レス) @page35 id: 7e57969e52 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 来ましたね!更新が再来週の月曜日になりますが、しばらくお待ちください。 (5月20日 16時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ブロッサム | 作成日時:2023年3月11日 2時