＊ ページ41
「見ろよ、マレウス・ドラコニア……本物だ」
「ドラゴンの末裔って本当なのかな。遠くにいるのに威圧感エグ……」
「新入生、よそ見するな。学園内は広いから迷うぞ」
「……………………？」
寮生が新入生に声をかけると、ふとイデアが周囲を見渡すのを見て首を傾げた。
「シュラウド寮長？どうしたんですかキョロキョロして。何か忘れ物でも？」
「いや、そういうんじゃないんだけど…………。……ま、いいか」
これも気のせいだと思い、イデアは寮生たちと一緒に寮に戻った。
寮の自室に戻ったイデアは、さっそくオルトに電話をかける。
『へぇ、じゃあ兄ちゃんの寮長としての初仕事は大成功だったんだ』
「大成功ってわけじゃないけど、まあ、つつがなく……。そういうオルトは？」
『『1年の頃は4人部屋でプライベートがなくて最悪だった』って兄ちゃんに散々脅かされてたから、こっちの学校も寮生活って聞いて、どうなるんだろうって緊張してたけど……僕、ルームメイトたちとはうまくやっていけそうだよ。さっきもゲームとスポーツの話で盛り上がっちゃった』
「ま、オルトは拙者と違って陽の物ですからなぁ。キラキラ系陽キャ揃いと名高いロイヤルソードアカデミーから入学許可証が届いたのも、納得感ありますわ」
本音を言えば、ナイトレイブンカレッジで一緒に通いたかったが、弟が向こうで楽しく過ごせているなら文句は言えない。
「……よかったよ。お前に新しい友だちができて」
『うん。…………あ、やばっ！寮長が見回りにきたみたい。消灯の時間だ。また電話するね、兄ちゃん。おやすみ！』
「おやすみ、オルト」
そう言って、2人は同時に電話を切る。
そのままベッドに倒れ込み、深く息を吐いた。
「はぁ……これからまた新しい1年が始まるのか……」
そう言った直後、イデアは目を瞑り黙り込む。
「………………………………。……なんだろ……なんか、すごく大事なことを忘れてる気がするんだけど………。………ま、いいか」
何度も覚える違和感に特に深入りせず、イデアは部屋の電気を消してベッドに潜り込むのであった。
その裏で忍び寄る、妖精の茨に気付かないまま――――
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ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます！ (6月1日 14時) (
レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。42ページの【森】が【盛り】になっていました。 (6月1日 13時) (レス) @page42 id: 7e57969e52 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - ああ、確かに似てますね！ (5月29日 16時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 来ました！更新！メインストーリーを読んでいると、鬼滅の刃無限列車編みたいだなぁと思いました。 (5月29日 14時) (レス) @page35 id: 7e57969e52 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 来ましたね！更新が再来週の月曜日になりますが、しばらくお待ちください。 (5月20日 16時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年3月11日 2時
