【名探偵コナン】BloodyMary【黒の組織】

code.35 "夢" ページ36

『明美ちゃんの、妹?』
ジ「フッ、その呼び方、随分と親しくなったようだな」
『えぇ...でも、シェリーが逃げたって、一体何故？』
ジ「姉を殺した」

殺した?

ジ「宮野明美から組織を抜けたいと持ちかけられたんだ、それで...だ。」

明美ちゃん...

ジ「シェリーの捜索は他のやつに頼んだから、お前は自分の任務に集中しろ。いいな?」
『えぇ...』

通話を切り、ため息をつく。

『はぁ...』

掛けていた眼鏡をテーブルに置き、目頭を抑える。
パソコンに1日中向き合っていたからか、随分と疲れているみたいだ。

ライは、大丈夫だろうか

ふと、そんなことを考える。

恐らく、ライは組織に潜入する為に彼女に近づいたはずだが、あれはたぶん、本心から...

『あー、やめよ。うん。』

考えることをやめる。
感情的になるのは、あまり良くない。

ジンから大量のファイルが添付されたメールが5通届く。数は...計80個くらいか。

1日あれば充分だな。

そうして、添付ファイルの1番上のものを開く。

私の仕事は殺しと、各構成員から送られてきた標的のデータをわかりやすくまとめること。NOCの私にとって、こんなにも都合のいい役職はない。

.



.



.


ジ「A!バーボンを撃て!」
『え?』

真っ赤に染まるお腹を抑えて蹲る彼の姿が目に入る。

ジ「早くしろ!」
『え、そんな、』
バ「撃て」

そうして彼は、私のベレッタの銃口を自らの額に当てる。

バ「じゃあな。愛してるよ、A」

ﾊﾟｧﾝ!

『零...?零、うそ、零!』





『いやぁっ...!!』

がばぁ、と勢いよくベッドから起き上がる。

『...夢か』

額に汗を垂れる感覚がして、慌てて拭う。
最悪な目覚めだ。

重い体を動かし、テーブルの椅子に座る。
いつも片付いているテーブルは、大量にばらまかれた資料で全体を埋めつくされていた。

風見のくれた資料を眺めること1週間、やっとジンの年齢を考慮したリストを作成することが出来た。

『これで本名が"じん"じゃなかったら、笑えないな...』

テーブルの上のプリントを片付けながら思う。

スマホが震え出し、相手は誰かと画面を見る。

『ベルモット、どうしたの?』
ベ「マリー、今どこ!?」
『え、日本の家だけど』
ベ「ちょうど良かったわ!今構成員の1人がFBIだという情報が入ったの、始末してくれる?」
『了解、すぐ向かうわ。場所は?』
ベ「発信機の情報だと、恐らく奴は横浜の3ｰAｰ36番の倉庫よ!そこに身を隠しているはず!」

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