code.20 "マリーを追う女" ページ21
そうして彼女なにやら胸ポケットから名刺を取り出す。
「申し遅れました。私はシアトル警察のアイリス・コールマン。」
『シアトル警察...あの、愛する人を殺されたって、一体何が』
「あの時、マシューは先輩警官に連れられて、ある取引現場に見張り役として向かったのよ。しかし、その取引相手が組織の標的にされていたらしく、取引相手は死亡。先輩警官2人は鳩尾を殴られて気を失っていただけだったんだけど、マシューは彼らを守るためにマリーに発砲。それで、」
『彼女に、殺されたと』
思い出した。
この女、バイクに乗っていた時にすれ違ったパトカーの助手席に座っていた...
「私たちがマシューの連絡を受けて到着した時にはもう手遅れだったわ。マリー、絶対許さない。私が、この手で必ず...」
彼女が涙ぐんで拳をにぎりしめる。
おかしい。
何かがおかしい。
『ウィリアム、ちょっといいかしら』
ラ「ええ」
ライを連れて席を外す。
『...ライ、どこを撃ったか覚えてる?』
ラ「足だ。致命傷を与えるような場所は撃っていない。」
『...ということは、』
恐らくマシューは、
"その場にいたジム側の誰かに口封じとして殺された"
『どうする、ライ。あのアイリスって人、このまま深入りすると組織に殺されてしまう』
ラ「...まさか、自分がマリーだというつもりじゃないだろうな」
ライが眉を顰める。
『でも、そうでもしないと彼女殺されてしまう。ライーー』
ラ「はぁ...」
ライが大きなため息をつく。
ラ「全く...その言い出したら聞かない性格はどうにかした方がいいぞ」
『...ありがとう』
部屋の隅からソファに戻る。
「どうかされましたか?」
『いえ。それで、幹部の情報は?』
山岡に尋ねる。
「全く。やはり組織の情報統制は凄いですね」
だろうな。
仮に漏らしたものがいたとしたら、もう闇の中だ。
ラ「お嬢様、お時間です」
『あら、もうそんな?』
ライの声にスマホを見る。
ライからメールが入っていた。
"近くに倉庫がある。そこまで誘導しろ"
...なるほどね
『では、失礼いたします。すみません、御手洗をお借りしたいのだけれど』
「あぁ、それなら、アイリスさん、案内していただけますか?」
「えぇ」
よし。
カツカツとヒールを鳴らしながら通路を歩く。
よし、ここまで来れば大丈夫か。
太ももから銃を取り出し、彼女に構える。
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iwa(プロフ) - ひろみつくん救済したかった。話変わってしまいますが。でも、これからどんどん引き込まれてよんでいきます。 (2020年3月13日 13時) (レス) id: d46b647962 (このIDを非表示/違反報告)
ベス - エリザベス女王は本当は女王になる予定ではなかったんです。男の子が亡くなり、姉のメアリーも卵巣がんで子供は出来ず想像妊娠となったんですよね。ターンリー卿の暗殺も偽造で無実だったんです。調べてみるとまた違う形が見えてくるかもですよo( ^_^ )o (2019年6月26日 22時) (レス) id: e7c063a61b (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - ベスさん» わぁ、すご...ほんと勉強になります!まだまだ知らないこといっぱいなので、私も調べてみようかな...(..) (2019年6月26日 18時) (レス) id: 476e83acac (このIDを非表示/違反報告)
ベス - 私、メアリー好きなんですよね…ちなみにエリザベスのお母さんのアン・ブーリンの妹もメアリー、エリザベスの異父姉もメアリーの名前ですね。愛され知らずのメアリーがどうしようもないフェリペを好きでその人の為に動いてしまう所も好きですね!♪♪ (2019年6月24日 21時) (レス) id: 137d2adbf4 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - ベスさん» 凄い、私もそこまで知りませんでした!そうみたいですね、勉強になりました!ありがとうございます〜( *˙˙*) (2019年6月24日 7時) (レス) id: 476e83acac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2019年6月12日 8時