サッカーをする理由は紅消鼠 ページ30
話していくうちに1つ驚いたことがあった。それはようちゃんが高校2年生だということ。幼い頃に会った時はお互い7歳だったため学年も同じだと勘違いをしていたらしい。
ようちゃんと馴れ馴れしく呼んでしまっていたことを謝罪すると全然ええんよ、と優しく頭を撫でられた。
「……あー、んー、やっぱだめ。これからは羊くんって呼んでや。」
手を離したようちゃんは少し考えた後そんなことを言った。
「よ、羊くんって呼んでもいいの？」
羊さん、などにした方が良いのではないかと思ったが羊くんと呼ばれた彼が幸せそうに微笑むから、黙って先程頼んだケーキの最後の一口を口へ運んだ。
「そろそろ出よっか、」
荷物を持って立ち上がった羊くんに私もついて立ち上がる。伝票を見て私が食べたの分のお金を確認しようとすると、するりと手が伸びてきて驚く。
僕に払わせてよ、と伝票を取られてしまい、それは悪いと私が言うとようちゃんは大丈夫だよとレジへ進んで行く。
「僕も男だからさ、かっこつけさせてよ」
いつもの優しい笑顔、そのはずなのにどこか余裕のある表情にドキリと胸が反応した。
その後、近くにあったショッピングモールで化粧品や服を見た。
私が行きたい所に行きたいと言ってくれたので友達も少なく中々来られない売り場へと足を運ぶ。
色とりどりのリップを見ていると、一つとても好みの色があった。値段を見るとやや高め。だが買えない値段では無い。
ほんの少しの間葛藤していると羊くんがそのリップを手に取って、これ好きでしょ？と当てられたのでまた驚いた。
小さくも激しい攻防戦の後、羊くんに買って貰い何度も頭を下げてお礼を伝えた。
気付けば時間が経っており、そろそろ日が長くなってくる頃だというのに夕焼け空は少し青掛かっていた。
めっちゃ楽しかったなぁ、と隣を歩く羊くんにうんと返事をする。
羊くんが宿泊しているというホテルは凛と行った海の近くにあるようで、思い出してふと聞いてみた。
「羊くんはサッカーをしていると言っていたけれど、もしサッカーに前向きな気持ち以外の感情を持ってしまったらどうする？」
私の問いに羊くんは目を見開いて立ち止まった。
「さぁ……僕にも、わからない」
どこか違和感のある発言を深くは追わず、そうだよねと笑顔を作ってみた。
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名無し(プロフ) - 真昼さん» コメントありがとうございます。意外と凛視点が需要あるようで良かったです。これからも応援して頂けると幸いです^^* (2023年1月30日 16時) (
レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - するめさん» するめさん、続編の方にもコメント頂けて嬉しいです。いつも応援本当にありがとうございます。凛視点はいずれ書きたいと思っていましたが想像よりも長くなってしまいそうです（笑） (2023年1月30日 16時) (レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 初コメ失礼します！凛視点めちゃくちゃ好きです！！最後まで応援します！ (2023年1月30日 9時) (レス) @page2 id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
するめ(プロフ) - 続編おめでとうございます〜!!凛視点めちゃくちゃ最高です、、、このお話ほんとに大好きです! (2023年1月30日 5時) (レス) id: 85ee5a5c1b (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お酢雨さん» ご指摘ありがとうございます。修正いたしました( _ _ ) (2023年1月29日 22時) (レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2023年1月29日 20時
