俺を映す瞳＿雨 ページ2
その後、自分のことをどんな風に見ていたんだと聞かれたので思っていたことを答えた。
すると少しツンとしたように俺にも当てはまることだと揶揄うように言われた。
先程からは想像もできないくらいに次々と新しい顔を見せるこいつに、俺の中でもっと知りたいという気持ちが膨らむのを感じた。
そういえば、と無視してしまったであろう、今思い出した先程の質問に答えるとそいつは一瞬驚いたような表情をしたあと、俺に何かを言いかけた。
「Aちゃん」
上の方から声がして、俺も視線が上がった。
福井さん、と呟くこいつを見て、こいつの名前はAだと言うことを知った。
それよりも、階段を降りてきて俺たちの会話を邪魔したこの女に俺は少しイライラした。
俺に自己紹介を始めようとしたので、興味無いと遮ると2人して俺の顔を見て黙り込んだ。
「そろそろよれいなっちゃうかも…｣
沈黙を破ったのはこいつ＿Aで、上擦った声で女の手を引いて階段を駆け上る。
「流石にまだ鳴らないだろ…」
踊り場からこちらを向いたAの顔は別に俺を責めるようなものではなかったが、焦りと困惑を混ぜたような、気まずいという顔だった。
＿＿＿雨だ
少し早めに終わったSHR。
今日は部活もないから早く家に帰ろうと昇降口へ着いて気が付いた。
めんどくせ。
ここまできてカバンから傘を出す動作が面倒くさかった。
しかし傘をささない事には帰ることもできない。
カバンに手を突っ込んだ時だった。
男が1人、女子を誘って一緒に傘に入った。
その光景を見た俺は閃く。
「……待つか。｣
まだ終わっていないであろうAが出てくるのを待った。
それから少しして見つけたAに傘を持っていないと断られた。
俺はそれなら仕方ないと自分の折りたたみ傘を取り出す。
昔から準備の良い兄ちゃんを真似していた結果、折りたたみ傘を入れる習慣がついていた。
あるじゃないかと驚いたAに少し気分が良くなって、傘に入ってきたAと距離を近付けると真っ赤になっていた。
湯気が出そうなAを見ているとふと視線を上げた瞳と目が合って、一瞬で逸らされてしまった。少し潤んだように見える瞳に何故か俺まで気恥ずかしくなった。
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名無し(プロフ) - 真昼さん» コメントありがとうございます。意外と凛視点が需要あるようで良かったです。これからも応援して頂けると幸いです^^* (2023年1月30日 16時) (
レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - するめさん» するめさん、続編の方にもコメント頂けて嬉しいです。いつも応援本当にありがとうございます。凛視点はいずれ書きたいと思っていましたが想像よりも長くなってしまいそうです（笑） (2023年1月30日 16時) (レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 初コメ失礼します！凛視点めちゃくちゃ好きです！！最後まで応援します！ (2023年1月30日 9時) (レス) @page2 id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
するめ(プロフ) - 続編おめでとうございます〜!!凛視点めちゃくちゃ最高です、、、このお話ほんとに大好きです! (2023年1月30日 5時) (レス) id: 85ee5a5c1b (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お酢雨さん» ご指摘ありがとうございます。修正いたしました( _ _ ) (2023年1月29日 22時) (レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2023年1月29日 20時
