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「……やっ……も、ほんとに……っ一緒に……お風呂入る、から……っ」


自分が首筋に弱いことは知っていた。
首に指を這わせるだけで小さく悲鳴をあげることもあるし、あまり泣いたりもしないはずなのに、首筋を執拗に攻められるといつも涙を零してしまう。

顔も首筋も耳も真っ赤にしたまま、降参だと口にして、どうにか彼の熱い舌から逃げようともがく。

___が、彼は降参の意を訴えても、何一つ離れる気配はなかった。



「っ……ねぇ、俺がそれまで我慢できると思ってるんスか?」



甘い甘い声に誘惑されるようにそちらをふと見れば、私の皮膚に涼太君の歯型がくっきりと残っていた。
そこに唇を当てていた彼は、先ほどよりも熱くなった吐息をはぁ、と漏らす。


そんな彼の溶け切った蜂蜜色の瞳とばちりと視線が合い、すぐにそらした。

見つめあっていたら、こちらもどろどろに溶かされてしまうのは目に見えていたから。「一緒にお風呂に入る」こと以上に悲惨な結果になることは見え切っていたから。


しかし、その私の態度が余計に彼に火をつけることになった。


目をそらされたことで、長いまつげを伏せた彼は、ぎらりと獣のような瞳で私を見つめていた。機嫌を損ねたのだ。



「……Aっち、まぁたそうやって俺を挑発して。
嘘ついたことも、お風呂拒否ったことも、今目をそらしたことも。____俺、怒ってるからね?」



彼がご立腹であることを示す声が私の耳元でささやかれる。

先ほどのように怒っているかもしれない、ではない。今、はっきりと涼太君は怒っていることが本能的にわかった。


そらし切っていた目を、ぱっとそちらに向ける。恥ずかしいのは山々だが、恥ずかしさで地面に埋まりたいぐらいだが……ちゃんと謝罪をしなくては、と口を開く。




「……っごめ____」




____が、謝罪を告げようとした私の声は、ひゅっという音とともに喉の奥に消えた。

開いたままの口には、その隙間を埋めるように覆いかぶさる熱い何か。それは見なくてもわかっている。涼太君の唇だ。何度も何度も重ねられたその唇の感触が私の唇に降り注いでいる。


いつの間に行っていたのか、体の向きもぐるりと回転して、私の背中はシンクに押し付けられていた。きっと私が振り向いた一瞬で体を反対向きにして、唇を奪ったのだろう。
どこが犬だ。忠犬だ。____この、狼男が。

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鎖月零(プロフ) - Flower*さん» flower!ありがとうございます!!短編の夢主は同じ夢主で書くのが普通だということを今の今まで知らなくて……全員バラバラにしてしまいました(笑)私も短編の方が書きやすくて軽くかけるので楽しかったです!続編頑張ります! (2018年2月26日 18時) (レス) id: e5c976073b (このIDを非表示/違反報告)
Flower*(プロフ) - 1完結(?)おめでとうございます!甘々で読んでてドキドキしてしまいました(*ノωノ) それぞれのお話の夢主ちゃんたちも個性豊かで面白し、何より短編なので読みやすいです。やっぱり零すごい……。続編の方も首を長くして待ってます! (2018年2月24日 0時) (レス) id: 4d95f4e8a2 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - 鎖月零さん» めっちゃ楽しみにしてます!!! (2018年2月18日 18時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
鎖月零(プロフ) - 黛パフェさん» うそぉ……本当に恥ずかしいです(笑)規制かかる系の甘々はあまり得意分野ではないのですが、楽しんでいただけると幸いです……!甘くなるように頑張ります (2018年2月18日 18時) (レス) id: a33d034fdf (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - 鎖月零さん» 今でもたまに見たりしますよ!黄瀬くんの好きですー!規制とかあまり気にしないタイプなので別のアカウントで見に行きますねー! (2018年2月18日 1時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鎖月零 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年12月17日 17時

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