ただずっといちゃいちゃしてるだけ【黒子のバスケ】

Happy Birthday　2.13　【森山由孝】 ページ41

本日2月13日は、世間一般的には「バレンタインデーイヴ」と呼ばれる日付である。


イエス様の生誕祭でもあるまいし、前日からバレンタインデーを祝ってどうするんだと言いたくなる気持ちもわかるが、せっせとチョコレートを作る女性からすればバレンタインデーイヴの方が大変ご苦労なことなのだろう。

本当のところ、その「バレンタインデーイヴ」という言葉が使われているかは知らないが、女性の行動やらなにやらを気にかけているうちに自然とそう呼ぶことが増えた。つまりは俺だけの呼び方なのであって、世間一般で呼ばれるというのはちょっと違うのかもしれない。



でも、2月13日はもっと他にイベントがある。

1130年にインノケンティウス二世がローマ教皇に即位したとか、1946年にはGHQが改正憲法草案を日本に手交したとか、そういうお堅いものでもマイナーなものでもない。いたってメジャーなイベントだ。


苗字制定記念日？違う、そうじゃない。よく考えてくれ。だからそんなマイナーではないんだ。
いやそれは苗字は大切だと思うけれども。


有村架純の誕生日？え、ああ、おしい。惜しいけれど違う。確かに俺はかわいい女の子好きだし、有村さんも好きだけれど違う。



そういうわけで、朝から登校したその時から俺はあらゆる人に「2月13日は何の日か」と聞いていたが、ついには放課後まで答えてもらえなかった。



正解を生み出したヤロウはこちら。


可愛げもなければノリはいいけれど基本的にうるさくて、モデルなんかやっちゃって、そのくせバスケも天才的にできるという神様に愛されまくった美少年、黄瀬涼太。


何が悲しくて男に最初に言われなければいけないのかわかりたくもないが、黄瀬は部室に入ると同時に思い出したようにこちらに言葉を投げかけた。



「そーいや、森山センパイって今日誕生日っスよね」



金髪の髪をさらりとなびかせ、片耳のピアスが発光しているように輝いている。モテる男は光まで生み出せるのだから心底すごいと思う。

そんなキラキライケメンとは言えど所詮は男の彼に一番最初に「今日は何の日か」を当てられた俺は静かにうなだれた。



ああうんそうだよ。おめでとう？ありがとう。



誕プレは自販機のちょっとお高いコーヒーを奢るっス、と完全に俺の誕生日を忘れ、誕生日プレゼントも忘れていただろうその金髪ピアスの一年は、「あぁ、そういえば」とついでのように言葉を零す




「森山センパイ彼女さんとお祝いしたりするんスか？」

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