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お腹に回されていた腕がするりと抜けて、私はそっと一息をついた。

これで今日は食器洗いも落ち着いてできるし、夜だってゆっくりできる。
いつもは土曜日はベッドから一歩も足を出すことのない生活ばかりだったが、ようやくスーパーにも行けるし、部屋の掃除もできる。

そりゃ、私だって大好きな恋人の彼といちゃいちゃしたくないわけではない。触れたいし、抱きつきたいし、甘いことをしたい。
でも、今までの経験上、涼太君の金曜日のがっつき具合というか容赦のなさは正直体がついていかないのだ。この男は今でもあの化け物なみの体力だって健在だし、性格に関しては中学高校の時よりも意地悪になったから。

中学の時は捻くれたところがあって女の子には過剰に警戒していて。高校になったら「Aっち、Aっち」と付きまとっている姿はただの犬。マネージャーの番犬というあだ名までつけられたくらいだ。

その時の涼太君は、男の影があれば威嚇してはいた。性格も神様のように素直で従順で綺麗だったわけではない。


でも、たぶん今よりはマシなはず。大学生になった涼太君は遠慮も恥も捨てたのだ。捨てまくったのだ。自分の欲に大分忠実になったし、好きな人___私に対しての尽くしようも依存度もヒートアップした。

その結果、私が泣こうが、「もう無理」と言おうが、楽しそうに笑うような性格クズになってしまった。前なら根をあげたら途中でやめて心配そうな瞳で見つめた癖に。



そんな涼太君が金曜日である今日、私に手を出そうとするのは____確実に明日をゴミ箱に捨てることになる。タイムイズマネー。いちゃいちゃも大事だけど、時間も大事です。








まだ背中にぴったりとくっついている涼太君の存在を無視し、私は銀色のスプーンを手にとった。
泡だらけのスポンジでごしごしと洗っていく。このスプーンで洗い物は最後だ。


よし、それじゃ水を出して____


そう、背中の存在なんて何一つ気にせずに洗い物を終えようとした時だった。



蛇口へ伸ばした私の腕より先に、逞しい白い腕が私の肩越しからスッと現れた。

完全に油断していた私は、急に手が伸びてくるだなんて思ってはいなかった。


「……わぁっ!?」


素っ頓狂な声とともに、後ろに思い切り引かれる私の体。

私の小さな手が空中をかく。

ぐるりと回された筋肉質の腕は、私の体をしっかりととらえていた。

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鎖月零(プロフ) - Flower*さん» flower!ありがとうございます!!短編の夢主は同じ夢主で書くのが普通だということを今の今まで知らなくて……全員バラバラにしてしまいました(笑)私も短編の方が書きやすくて軽くかけるので楽しかったです!続編頑張ります! (2018年2月26日 18時) (レス) id: e5c976073b (このIDを非表示/違反報告)
Flower*(プロフ) - 1完結(?)おめでとうございます!甘々で読んでてドキドキしてしまいました(*ノωノ) それぞれのお話の夢主ちゃんたちも個性豊かで面白し、何より短編なので読みやすいです。やっぱり零すごい……。続編の方も首を長くして待ってます! (2018年2月24日 0時) (レス) id: 4d95f4e8a2 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - 鎖月零さん» めっちゃ楽しみにしてます!!! (2018年2月18日 18時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
鎖月零(プロフ) - 黛パフェさん» うそぉ……本当に恥ずかしいです(笑)規制かかる系の甘々はあまり得意分野ではないのですが、楽しんでいただけると幸いです……!甘くなるように頑張ります (2018年2月18日 18時) (レス) id: a33d034fdf (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - 鎖月零さん» 今でもたまに見たりしますよ!黄瀬くんの好きですー!規制とかあまり気にしないタイプなので別のアカウントで見に行きますねー! (2018年2月18日 1時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鎖月零 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年12月17日 17時

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