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「……夢?」


「夢」とはよく小さいころに無理やり書かされた「将来の夢」とかいうものだろうか。文脈からして寝るときにみるあの「夢」ではないだろう。

小学校低学年のころに書かされる「将来の夢」では、お菓子屋さんからサッカー選手などといった特に目指してもいないようなことを書く子供が多かった。俺はその時から将来は決まっていたので、もちろん「赤司グループの社長」だ。

将来の夢など、俺には必要がなく、関係のない存在だっため疎遠だった。
当たり前だ。俺には婚約者も将来の職業も生まれたその時から決まっていたのだから。

そう、恋や恋愛だけではない。俺には「夢」すらも必要のない存在だったのだ。



____だが、同じ立場であるはずの目の前の彼女は、今なぜ「夢」の話をしている?



彼女もまた、俺と同じ立場。俺との婚約が生まれたその時、いや、検査で性別が女であると決まった時から決められていたはずの道。恋も、夢も必要ない。それが俺達の宿命だったはずだ。


それなのに。



「そうよ、夢。……なりたいものがあるの。」



強い瞳で訴えてくる彼女は、俺と同じ立場の人間には思えなかった。

自分で自分の道を切り拓く。自分の夢を大事に大切に生きていく。そんな強く輝かしい瞳。
自分の肩を刺してまで叶えたかった、諦めたくなかったと、彼女のその赤が訴えていた。

俺にはない感情が、彼女から伝わってくる。同じはずなのに、全く違う。
彼女は従順に親に付き従って生きていこうとは思っていない。自由に自分の夢に向かって、たとえそれが茨の道だろうがなんだろうが進もうとしているのだ。



「君は……どうして夢なんかを持ったんだ。俺達には必要ないだろう、そんなもの」


「必要ない……?そんなことないわ。
夢ってどこか遠くて叶えられるかどうかわからない不安定なもので、大変で苦しくて、決して楽ではないけれど……。

でも、とてもキラキラしているものよ。夢のために生きていきたいって思えるほどに。」



今までずっと無表情か退屈そうな顔をしなかった彼女が、ぱっと表情に喜色を宿し、嬉しそうに語った。

目には満天の星空を閉じ込めたように輝いている。俺にはない、輝き。



俺は彼女の言葉に首を傾げることしかできなかった。なにもわからない。
俺には一切ない感情を、彼女から突き付けられている。

すべてを持つはずの俺に、「お前はもっていないだろう」というように。

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鎖月零(プロフ) - Flower*さん» flower!ありがとうございます!!短編の夢主は同じ夢主で書くのが普通だということを今の今まで知らなくて……全員バラバラにしてしまいました(笑)私も短編の方が書きやすくて軽くかけるので楽しかったです!続編頑張ります! (2018年2月26日 18時) (レス) id: e5c976073b (このIDを非表示/違反報告)
Flower*(プロフ) - 1完結(?)おめでとうございます!甘々で読んでてドキドキしてしまいました(*ノωノ) それぞれのお話の夢主ちゃんたちも個性豊かで面白し、何より短編なので読みやすいです。やっぱり零すごい……。続編の方も首を長くして待ってます! (2018年2月24日 0時) (レス) id: 4d95f4e8a2 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - 鎖月零さん» めっちゃ楽しみにしてます!!! (2018年2月18日 18時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
鎖月零(プロフ) - 黛パフェさん» うそぉ……本当に恥ずかしいです(笑)規制かかる系の甘々はあまり得意分野ではないのですが、楽しんでいただけると幸いです……!甘くなるように頑張ります (2018年2月18日 18時) (レス) id: a33d034fdf (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - 鎖月零さん» 今でもたまに見たりしますよ!黄瀬くんの好きですー!規制とかあまり気にしないタイプなので別のアカウントで見に行きますねー! (2018年2月18日 1時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鎖月零 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年12月17日 17時

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