60-1 ページ11
あの後マリーナベイに戻り寝るために茜はそのままベッドに飛び込んだ。
「昼間のやついいのか？」
「あ…… 断ってきます」
「一緒に行こうか？」
心配する葵に要らないの意味を込めて手を振って屋上のプールまで行く。プールにはまだまだ人がたくさんおりカップルの姿がよく見えた。それに少ししょんぼりとしながら茜は目的の人物を探した。
「あ、茜さん！自分で言うのもなんですが怪しかったのできていただけないものかと…」
「いや、その…」
「その水着、とてもお似合いです」
茜はその言葉は違う人に言って欲しかったなんて思いながらそのまま促されるままにパラソルの下の椅子に座る。茜は断りに来たはいいものの目の前にいるリシはとても楽しそうに笑って話しておりとても切り出せなかった。
「すみません、僕が喋りすぎましたか？」
「いえ、そうじゃなくて「あれぇ？茜お姉ちゃんここにいたの？」…え？」
「ねぇ、体調悪かったんじゃないの？」
声がした方を振り向くとそこには少し日に焼けたコナンが2人を見ていた。手にはメロンソーダが握られていて結露した水がぽたりと手を伝って地面に落ちた。
「君は、毛利さんのとこの…」
「アーサーだよ！それよりお姉ちゃんは具合が悪いんだ！そうだよね？」
「あ、うん…実はそうなの。」
アーサーもといコナンがそう言うと座っている茜の手を引いた。リシは慌てて席から立ち上がり自分の着ていたラッシュガードを脱いで茜の肩にかけた。その間にもコナンがグイグイと手を引く。
「気がつかなくて申し訳ない。きっと、今日も断りにきたんですよね？」
「あー、いや、リシさんのお話は楽しいですよ？」
「茜さん…ありがとうございました。お気をつけて」
とても切なそうにいうリシに思わず頷いてその場で別れ、コナンに引かれるまま屋上プールを後にした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 105人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：唯星 | 作成日時：2024年7月13日 10時
