Exacumの花束 (ページ41)

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-こちらスカイJ865便、函館タワーに管制を引き継ぎます。周波数を118.35に変えてください。

「118.35、了解」

キッドが新庄の声で答える。茜もコナンもそれをじっと見ていた。
ヘッドセットからじじじっと音がすると先ほどから指示をくれた人とは違う男の人の声が聞こえてきて、キッドが聞こえる旨を伝える。

-こちら函館タワー、管制部長の上杉です。機長の島岡に代わります。

-島岡です。早速ですがMCP…モード・コントロール・パネルは分かりますか？…

「はい、わかります」

-ではそこのAPPというボタンを押してください。そうすれば飛行機は自動的に滑走路まで降りていきます。

「了解。APP…」
「押しました。」

-君はだれだ？

ヘッドセットからざわつく声が聞こえる。コナンには声が入らない程度に静かにしてもらって茜は問いにこたえた。

「如月茜です。新庄さんの助手をしてます」

-助手？子どもが隣にいるのか？

-わかってると思うけど、操縦桿や他のスイッチを絶対に触ったらいけないよ

「はい。わかってます。」
「あ、ボウズ。フラップやギアの操作法は？」
「しってるよ。ハワイで親父からセスナの操縦を教わったことあるからな」

キッドの問いにそう答えるコナンに茜も記憶を思い出してみると茜にも一応あった。父親から教わった記憶。そこには葵と誰かもう1人いた様な気がする。まさか…なんて思い茜はまた葵に聞きたいことが増えた。

「なるほど。じゃあ。何があっても大丈夫だな」
「縁起でもねーかと言うなよ、まぁ、実際に飛ばしたのは葵だけだ」
「え。うそん。飛ばせるの？葵…」

じゃあ。私も模擬操縦じゃんて思って茜と目が座りかける。後ろから若干不貞腐れた様なジト目でみるコナンと、ハイスペックすぎる自分の兄に少し嫌気がさしてきた頃、前の下の方に光が見えた。茜は少しだけ嫌な予感を感じつつ副操縦士席に座り直し前を見た。
そして、機体はそのまま雷雲を抜けて雲の下に降りた。降りたその先のその向こうにちょうど空港の滑走路の光がみえた。

-865便、フラップを1に

-次はフラップを5に…フラップを10に

飛行機の翼に抵抗ができて風切り音が聞こえる。そして、操縦士席にいる2人は函館タワーにいる長岡の指示通りにレバーを触っていく。