Exacumの花束 (ページ21)

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-続-

『あー、こちら、茶木だが、杯戸シティホテルの屋上に怪盗キッド発見。米花、杯戸町近辺をパトロール中の全車両、及び杯戸町上空を飛行中の全ヘリ部隊に継ぐ。速やかに現場に直行し怪盗キッドを、捕らえよ！』
「わぁ、すご…」
『えー、ワシだ、中森だ。杯戸シティホテル内を警戒中の各員に継ぐ。キッドは、屋上だ！総員。直ちに奴を取り押さえろ！』

怪盗キッドは今日、警備している警察官の声に変え、無線機で近くにいる警察官をこの場所に集めた。遠くで聞こえていたサイレンも次第に近くに聞こえて、階段を駆け上がる振動も感じた。

「これで満足か？探偵くん？」
「動くな！キッド！！」
「これはこれは中森警部。お早いお付きで」

直接見る変声は鳥肌が立つくらいにすごく鮮やかでコナンも呆然としてただ立っていた。
茜はこれから増えていく警察官のために少し後ろの方へ下がった。

「ふん！何を言う！ワシが貴様の予告を解いてここを張っていたのを知っていたくせに。」

茜は場違い感をひしひしと感じながらさらに端に寄った。茜はただ、コナンに呼ばれて来ただけで、恐らく夜に警察に声をかけられ補導されそうになった時に、助けてほしいとかそう言うことだったんだと思う。

「今夜はあなた方の出方を伺う下見。盗るつもりはありませんよ。」
「なにぃ？！」
「おや？ちゃんと予告状の冒頭に記した筈ですよ。April fool。ウソってね」

怪盗キッドは手に持ったスイッチを押すとマントがハングライダーになりそれをベルトで身体に固定した。それと同時か少し遅いのか中森が他の警官に指示をだした為、警官たちが怪盗キッドに向かって走っていった。

「閃光弾！？」
「よぉ、ボウズ、知ってるか？怪盗は獲物を盗み出す創造的な芸術家だが…探偵はその跡をみつけてなんくせつける…ただの批評家にすぎねーんだぜ」
「なに？！」

怪盗キッドの袖口から落ちた閃光弾が地面につき目も眩むほどの閃光があたりに届くと小さな煙と共に怪盗キッドはその場からいなくなっていた。ざわざわと騒ぐ警官に少し目の色素の薄い茜はまだ目が慣れておらず目元を抑えてしゃがみ込んだ。