祓い屋の青年3 ページ5
祓い屋の青年
「こんなもんかな」
勿怪達と話しながら探していると、まるでサンタクロースのような袋が出来上がる。"すまぬ"とか本当に反省しているのかと思ってしまう態度に苦笑しながら"普と合流しようかー"なんて呟きながら進んでいく。
そのとき急に白杖代が騒ぎ、傍から消えていった。
「普に何かあったのかも!?」
袋をとりあえず旧校舎の女子トイレに置くと普を探しに行く。
必死に走るというと変だが校舎の隅から隅へと探し校庭に出る。
そこには雷をまとった刃をもつ源輝とボロボロの普。そして数珠に縛られた光がいた。
「何してるの?」
恐ろしい状況であるのに声は意外と冷静ではっきりと音が出た。
「...A...」
普からはかすれかすれに名前を呼ばれる。
「君は毒姫だね?
七不思議の助手だったかな?」
ギロリと輝が視線をAに送る。
「君も一緒に祓おうと思うけど
今はとりあえず七不思議を優先したいからね。
今のうちに逃げたほうが身のためだと思うけど?
まぁ寿命が少し延びる程度だけどね」
冷酷的なそのセリフにビクッと震えはするが恐れはない。
ゆっくりと輝の方に歩けば、輝と普が少し驚く。
普を庇うように前に立つと理解できない現状に冷や汗と恐れを感じる輝。
「なっまさか自分から首を差し出すなんてね。
手間が省けるよ」
冷静を装う輝の手元震える。
「切ればいい。
私は七不思議ではないから花子よりは簡単に消滅するわ。
でも知っているよね?
私は毒姫。触れたモノを溶かす。
あなたの刀が振り下ろされるそれまでに刺し違える覚悟で手を伸ばす。
たとえ心臓まで届かなくても
あなたの機能を損ねるぐらいなら簡単よ?」
淡々と話す姿に三人は驚愕する。
しびれを切らした輝が刀を振り上げ、Aは間合いをつめようと重心を前へとかける。
しかし、じゅうと刃から何かが蒸発するような音と金色の髪が視界をふさぐ。
「しょ...」
少年と呼ぼうとした普の声。
うらああぁと光は叫ぶと刃を握りしめたまま輝へと突進する。"やめろ""血が出ている"という言葉を聞かず押し倒すと輝の胸ぐらを掴む。
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璃炎(プロフ) - 黒猫さん» ありがとうございます。出来るだけ早く更新していけたらと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。 (2020年3月7日 9時) (レス) id: 138083c01a (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 続き気になります!体調気をつけて更新頑張ってください! (2020年3月7日 1時) (レス) id: fbc5b8317e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:璃炎 | 作者ホームページ:http://nanos.jp/lampyridae/page/1/
作成日時:2020年2月9日 11時