三人の時計守3 ページ32
三人の時計守
メガネの少年が寧々の体を引きずりながら葵から引き離しどこかへ連れ去っていこうとする。
(毒姫様 毒姫様)
頭に直接呼ばれた自分の呼称に追いかけようとした体が止まる。
「Aちゃんどうしたの？」
霊体の寧々は動きが止まったAに何かあったのか心配するようにAのほうを振り返った。
「んー呼ばれたなぁって思って」
虚空を見つめながらAが呟くと寧々は"呼ばれた？"と言葉を復唱する。
怪異たるもの噂に逆らうことは出来ない。呼び出すことが出来るモノには答え、噂を全うする。
現状を考えて時計守の件から抜けて良いものだろうかと考えるA。
「大丈夫？」
よほど険しい顔でもしてたのかフワフワと浮きながら近づく寧々にそっと笑いかけると"仕事が入ったみたい"と困ったように話す。
「花子くんの助手の仕事？」
寧々の言葉に首を降る。
「毒姫の仕事だよ」
心配そうな寧々を安心させるように明るくいうと毒姫の噂を知らないのか首をかしげる寧々。
「毒姫とね知恵比べで勝てると、どんな怪我でも治してもらえるの。
でも絶対負けてはいけない。
負けたら全力で逃げなきゃいけない。
彼女に触れられたら
怪我は治ることなく
一生背負わなくてはいけないから」
淡々と話す自分の噂に自嘲する。
「最近は知恵比べで私が勝てることなくなったし...
負けても追いかけるフリみたいな感じで生身の人間を融かすことはないよ」
つい最近祓い屋を消しかけたことをふと思い出したが無かったことのように頭から追い出す。
「だから...
とりあえず花子に毒姫の仕事が入ったから少し抜けるって伝えといてもらっていいかな？」
みんなが向かった先とは逆のほうを向くと、自分の居場所へと移動していく。
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璃炎(プロフ) - 黒猫さん» ありがとうございます。出来るだけ早く更新していけたらと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。 (2020年3月7日 9時) (
レス) id: 138083c01a (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 続き気になります！体調気をつけて更新頑張ってください！ (2020年3月7日 1時) (レス) id: fbc5b8317e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃炎 | 作者ホームページ：http://nanos.jp/lampyridae/page/1/
作成日時：2020年2月9日 11時
