Black Look. (ページ49)

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私は、戸惑いながらも

そっと永瀬の背中に腕を回し

黙って、抱き締められ続けた。

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『…、なんかあったの、、、？』

ガリガリでも、私より大きいはずの体が

なぜかすごく小さく弱っているように感じて

様子を伺ってみたものの

永瀬は何も言わない。

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『…ま、無理には聞かないけど。』

「………、親父の、…」

『…ん？』

「…、親父の会社、、、手伝わされてて、

俺は、その会社の…次期社長で、、、

こないだ…会社がトラブって、

ここ最近ずっと

処理とか何やいっぱいやってたんやけど…」

言葉足らずで

ボソボソと話し出した内容に

相槌を打ちながら耳を傾ける。

耳元で喋られているから

若干、くすぐったいとは

…言えない雰囲気だよなあ。

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「…俺、、、…怖なった。」

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何でコイツは

私にそんな打ち明け話をするんだろう。

普段、あれだけ威張ってる割には

結構脆い人間なんだな。

出逢ったばかりで

犬猿の仲であるはずの相手が

なぜか自分の弱い部分を見せてくるので

こちらも少し拍子抜けしてしまう。

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『いいんじゃん？そりゃあ、誰だって怖いでしょ。

私には、アンタの世界はちょっとよくわかんないけど

周りの人に助けて貰いながらアンタらしくやれば。』

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