Black Look. (ページ23)

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…ヴッ、、、

それにしても…気まずい。

気まず過ぎる。。。

無駄に長そうな脚を大っぴらに広げて

隣に座るお坊っちゃまくんは

なんにも気にしていなさそうに

ぼんやり外を眺めている。

私も、なんだか拍子抜けしてしまい

反対側の窓から外を眺めた。

こんな高級車に乗ることなんて

きっとこの先ないだろうから…

今のうちにちょっとだけ

セレブリティを堪能しておこう…笑

なんて、楽しめてる辺り

私の肝っ玉は、だいぶ据わっているんだろう。

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運「こちらのお宅でお間違いないですか？」

『はい。本当に送って貰っちゃってすみません。』

運「いいんですよ。またいつでも。」

『ありがとうございます。』

運「座って待っていてください。今、開けます」

運転席から降りて

わざわざ後部座席のドアを

開けようとしてくれているのだと気付いた。

『いえ！大丈夫です！！』

私は慌てて車から降りると

扉を締める前にもう一度

運転手さんにお礼を言った。

それから…

『…永瀬、、、ありがとう。』

と、微笑んだのに

なぜか驚いた顔をして何も言わない。

『…？』

不思議に思ったが、

まあいっかと扉を締める。

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「…おいっ！！」

玄関に向かう私の足を止めたのは

意外にも、永瀬廉の声だった。

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「…いや、その、、、」

呼び止めておきながら

自分がアタフタしている姿は

愛らしかった。

『…ふっ(笑)ありがと。』

「…おん、、、おやすみ。」

『…おやすみなさい。』

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初めてまともに成立した会話は

なんだかぎこちなかったけど

少しだけ、人間らしい一面を見れたことに

多少なりとも嬉しかったのか

その日の眠りは気持ちが良いものだった。

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