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「…治らないね」


次の日も、その次の日も、息苦しさや頭がくらくらするほどの熱もそのままで、至れり尽せりで看病してくれる少年にAは申し訳なさを感じていた。


「…そういえば君、名前は何ていうの?」
「A、です」
「Aね。…僕のことは無一郎って呼んで。敬語もいらないよ」


にこにこと笑ってそう言う無一郎は、無理やり自分に毒を飲ませてきた人と同一人物とは思えなくて、Aも笑みを浮かべて小さくうなづく。


「…うーん。早く元気になってもらわなきゃ困るなぁ」
「…ごめんなさい」


申し訳なさそうな表情で謝ったAに嬉しそうな笑みを浮かべた無一郎は、「ああ、どうしよう。我慢できないかも」と優しくAの頬を両手で包み込む。


「…無一郎?」
「ああでも、その警戒心皆無なのも捨てがたいよね。どうしようかなぁ」


一体何を迷っていると言うのか、そんなことを言ってAに顔を近付けた無一郎は、一瞬だけAに口付けて「いい子にできたら、ご褒美をあげる」と口角を上げる。


「っ!」


次の瞬間、Aが自分の身に起きたことの意味が分からず無一郎に目を向ければ、恍惚の表情で笑んで自分を見つめている無一郎の瞳と目が合う。


「…可愛い」


意味も分からず溢れる涙を無一郎にすくわれて、遅れてやってくる強烈な何かにAは身体を折り曲げて、息を詰まらせきつく奥歯を噛み締める。

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チーズ(プロフ) - alice roseさん» コメントありがとうございます!そして嬉しいお言葉までありがとうございます!!これからも沢山ニヤニヤしていただけるように頑張ります!(笑)よろしくお願いしますm(__)m (2020年11月5日 18時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
alice rose - 控えめに言って最高です!いつもニヤニヤしながら読んでいます、これからも無理せず頑張って下さい!応援しています(≧∀≦) (2020年11月3日 21時) (レス) id: a666e6cc6f (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - まいまいさん» コメントありがとうございます!最高すぎるだなんて、嬉しいです!ちょうど更新しましたー!これからもよろしくお願いしますm(__)m (2020年11月3日 19時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい - 最高すぎます!!更新まってます! (2020年11月3日 19時) (レス) id: 194af2ccd7 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - ????なしさん» コメントありがとうございます!神!?なんと有難いお言葉、、!!頑張って書きますので、これからもよろしくお願いしますm(__)m (2020年11月2日 20時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チーズ | 作成日時:2020年10月20日 19時

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