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「…はは。残念、気持ちよくなっちゃったね」
逃げ惑うAを追いかけて追い詰めて、結局自分の思惑通りとなったことに晴れやかな笑みを浮かべながら、無一郎は少し触れただけで反応をみせるAの肌を丁寧に撫であげる。
「んっ、もうや、」
「駄目だよ、僕の相手もしてくれなくちゃ」
そう言って無一郎は小刀をAの肌に滑らせて、いつもより深く肌に沈みこませる。
「い、いたいっ…!」
「こっちは?」
Aの下腹に手を滑らせてその場所を中から擦り上げれば、途端に息遣いの変わるAに、無一郎は「気持ちいい?」と微笑みかける。
「いたい…んぁ、」
「嘘は駄目だよ」
痛みかそれ以外ゆえか、身体を震わせ潤んだ瞳を無一郎に向けたAは、「いたい」と繰り返す。
「ね、もっと深く切ってもいい?」
「やだ!」
「…なら、ご褒美もなしだよ?」
「…やだぁ…」
「じゃあどうする?」
「っ、我慢、するぅ…」
その言葉と同時に襲いくる、色んな刺激にAが声にならない声をあげると、恍惚の表情でAを見つめていた無一郎が「いい子だね」とAに口付ける。
痛すぎて震える身体を無一郎に抱きしめられたAは、労わるような無一郎の口付けの合間にもどんどん痛みが増して、思わず無一郎の舌を噛んでしまう。
「んっ、」
痛みからかくぐもった声を出した無一郎だったが特に抵抗することはなく、いいよ、とでも言うようにAに舌を差し出す。
「っふ、…いたい、」
「うん。我慢できて偉いね」
「全然治らないよっ、いたいぃ…」
「ほら、もっと噛んでいいから」
ん、と舌を出した無一郎にかぶりついたAは、それだけでは足りなくて、無一郎の首筋に舌を這わせて甘噛みを繰り返す。
「…そこは駄目だよ」
無一郎の言葉を無視してAが首筋に歯を突き立てると、「駄目って言ったでしょ」と言いつつも無一郎は突き放しはせず、無遠慮に血を吸い上げるAの頭を優しく撫でる。
「んふ、…すき」
「僕の血が、でしょ?」
「うん。もっと飲んでいい?」
「駄目」
ええー、と不満げな声をあげるAを無理やり布団に押し込んだ無一郎は、「今日はもうおしまい。…ちゃんといい子にしててね」と笑みを浮かべてさっさと部屋を出て行ってしまう。
「…っ、」
無一郎が居なくなってしまった途端、やっと塞がりかけてきた傷がジクジクと痛み出した気がして、Aは無一郎の布団にもぐり直してきつく目蓋を閉じた。
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チーズ(プロフ) - alice roseさん» コメントありがとうございます!そして嬉しいお言葉までありがとうございます!!これからも沢山ニヤニヤしていただけるように頑張ります!(笑)よろしくお願いしますm(__)m (2020年11月5日 18時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
alice rose - 控えめに言って最高です!いつもニヤニヤしながら読んでいます、これからも無理せず頑張って下さい!応援しています(≧∀≦) (2020年11月3日 21時) (レス) id: a666e6cc6f (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - まいまいさん» コメントありがとうございます!最高すぎるだなんて、嬉しいです!ちょうど更新しましたー!これからもよろしくお願いしますm(__)m (2020年11月3日 19時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい - 最高すぎます!!更新まってます! (2020年11月3日 19時) (レス) id: 194af2ccd7 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - ????なしさん» コメントありがとうございます!神!?なんと有難いお言葉、、!!頑張って書きますので、これからもよろしくお願いしますm(__)m (2020年11月2日 20時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チーズ | 作成日時:2020年10月20日 19時