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杏寿郎の行き先は大きなお屋敷で、杏寿郎が「お邪魔する!」と門をくぐると、可愛い蝶の髪飾りで二つ結びをした少女が杏寿郎とAを出迎える。
「こんにちは!…あれ?その方は…」
ぱちぱちと不思議そうに少女が瞬きを繰り返したとき、「煉獄さん、お待ちしてましたよ」と中から綺麗な女性が顔を見せる。
「…あら…。とても可愛らしい方ですね。恋仲の方ですか?」
「え、」
女性の言葉に驚いたようにAが女性を見つめると同時に、杏寿郎は「俺の大切な友人だ!…ああだが、Aは俺の嫁になりたいのだったか。では何と言うべきか…?」と言って本気で悩み始めてしまう。
「…ふっ、」
さり気なく内情を全て暴露する杏寿郎に可笑しそうな笑い声を漏らした女性は、美しい笑みをAに向けて「では、将来のお嫁様ですね」と笑みを深める。
「ああ、そうだな!そうなるのかもしれない!」
「え、そうなんですかっ?」
「ん?違うのか?」
「え、いや…」
あまりに自然に杏寿郎がうなづくのでAが驚いたような声を出すと、きょとんとした表情を向けられてAは何も言えなくなる。
「ふっ…、煉獄さん、とにかく中へどうぞ」
再び可笑しそうな笑い声を漏らしたあと、なんて事ないような表情でそう言った女性に「ああ!そうだった!」と思い出したように中へと足を踏み入れる杏寿郎。
「…そうだ、胡蝶!」
「はい」
「任務後に迎えに来るから、Aを一日ここに置いていただけないだろうか!」
突拍子もない杏寿郎の言葉に驚いた表情をみせるもすぐに微笑む胡蝶と呼ばれた女性は、「もちろんいいですよ」と快くうなづく。
「私のことはしのぶ、とお呼びください。…Aさん」
「は、はい!よろしくお願いします!しのぶちゃん!」
「私はアオイと申します!」
「よろしくね、アオイちゃん」
中を案内します、とアオイに連れられて行ったAを見送った杏寿郎が「…うむ、やはり可愛らしい子だ!」と笑ったのを見て、しのぶは杏寿郎の天然なのか本気なのかその無自覚さに、やはり可笑しくて笑うしかなかった。
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チーズ(プロフ) - みゆさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!期待に添えるように頑張りますので、よろしくお願いしますm(__)m (2020年11月5日 18時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - よもぉぎさん» コメントありがとうございます!無限列車に乗車したんですね!私まだなんですー!煉獄さん現実に来て欲しいですよね、、更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2020年11月5日 18時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - 読ませていただきました!!煉獄さんがイケメン過ぎるし千寿郎は可愛くて お話が更新されるのを楽しみにしてます(*´ω`*)更新大変だと思いますが、無理せず頑張ってください☆ (2020年11月4日 8時) (レス) id: 010b0b49eb (このIDを非表示/違反報告)
よもぉぎ(プロフ) - はわぁ...素敵すぎます〜!!煉獄さんから愛されるなんて話数を積む事ににやけが増していきます!!無限列車にも乗車したんですがどれほど煉獄さんが現実にいたらと思ったんだろう。。更新頑張ってくださいー!!! (2020年11月4日 7時) (レス) id: 990295e7ae (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - パプピーマン。さん» コメントありがとうございます!好きすぎるだなんて嬉しいです!口角が富士山!言い回しが上手すぎて思わずクスッと笑ってしまいました、、!!関係ないですけど、今の季節の富士山はめちゃくちゃ綺麗ですよね〜(笑)更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2020年10月30日 11時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チーズ | 作成日時:2020年10月8日 14時