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「これは……」
「ペンとインクです」
「見れば分かります」
彼女の手よりは一回り大きいがユノにとっては丁度良いくらいの大きさのペン。
何故、と言いたげな表情を浮かべたユノにAはふふっと笑って答えた。
「ユノくんよくお手紙書きますよね。私も書く方なんですけど、筆記具って結構しっかりしたものじゃないとすぐ使えなくなっちゃいますよ」
ユノやアスタは、今まで世話になったハージ村への手紙を結構書く。
ユノが使っていた文房具は全て自室に元々用意されていたものであったために、使い慣れてはいるが馴染んでいるわけではなかった。
分かりやすく言うと、他人の使っていた万年筆を自分が結構な時間使っていたらガッタガタになる感じ。筆圧とかの問題で。
そろそろ新しいペンでも買うかとも思っていたし、いやまだ使えるとも思っていた。
要するにユノも悩んでいた。
「…ありがとうございます」
「どういたしまして」
人から物を貰うのがなかったユノは、子供のように目を輝かせて袋を受け取った。
嬉しそうなユノを見てAはまたふふっと笑った。
「……今度は」
「はい？」
ユノは袋から視線を離すと彼女の方へ顔を向けた。
顔を向けたといってもその目は少々気まづそうなものだ。
図々しいと思われないだろうか。
烏滸がましいと思われないだろうか。
それでも言いたい。
一瞬迷ったものの、頭に浮かんだことをユノはありのままに言った。
「今度は、オレの誕生日も祝ってください」
おそらく他の人に言えば図々しい、烏滸がましいと思われるだろう。
だがユノは他の誰でもない、彼女に言いたかった。
今まで自分の誕生日は同じ日であるアスタと、教会の皆に祝ってもらった。
アスタ、シスター、神父、ナッシュ達が毎年笑顔で祝ってくれた。
そこに彼女も入ってほしい。
我儘、だろうか。
「喜んで」
ユノの心配は杞憂に終わった。
初めて彼女と会って握手した時と同じ、綺麗な笑顔でそう言った。
彼女が今回祝う人物は、自分ではなくて自分達の団長だ。
自分は団長のことを、超えるべき壁としてしか見ていない。
そんな自分がおめでとうと祝うわけにもいかない。
彼女はおそらく、今見せた笑顔よりももっと綺麗なもので祝うだろう。
この感情の正体を嫉妬以外で形容できない自分はまだまだ未熟だと思うユノだった。
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ブラクロ好きさんリクエスト「ユノとお出かけ」
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HANON(プロフ) - Ame931さん» ほんとそれですね！コメントありがとうございます (2022年6月19日 12時) (
レス) @page36 id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
Ame931(プロフ) - ゴーシュが恋愛やってるように見えないのめっちゃ分かるわ〜 (2022年6月19日 9時) (レス) @page36 id: 745f3a4c41 (このIDを非表示/違反報告)
春川みやび(プロフ) - ありがとうございます（ ; ; ）後回しで構いません！無理しないでください、、！応援しています！^ ^ (2019年2月16日 13時) (レス) id: 1c145295b7 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - 春川みやびさん» リクエストの方なんですが、今書いてもご期待に添えられるようなお話にはならないと思うので、続編に入って最初の方は本編を書かせていただきます。本編が一区切りついたら番外編を書こうと思うのでもうしばらく待って頂けると幸いです。大変申し訳ありません。 (2019年2月15日 20時) (レス) id: 10bafabdf4 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - ありがとうございますo(^o^)o自分でリクエストしながら、すっかり忘れてました、、、、。(笑)m(__)m (2019年1月22日 19時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：HANON | 作成日時：2018年10月8日 16時
