【REBORN】ぐだぐだ眼鏡団～後～ (ページ9)

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58:everything is everything ページ9

【フェニックス】

美化委員、響きだけなら良い

週に1度、定期的にお人形さんの家の掃除をする
委員長がやれば良いと言った事があるけど、入りたくないの一点張り
あの子を、より鮮明に思い出してしまうから嫌なんだそうだ

｢(大切な場所なら、僕だったら誰にも触れられたくない)｣

でも彼に呪いをかけてしまったのは僕だから、しょうがないと諦めて引き受けた
だからかあの子と彼の絆の深さを僕は知っている

｢(指図め"華麗なるすれ違い"的な？)｣

最近増えた、不定期に風紀財団やボンゴレの関係者を狙って並盛町に入って来た人を掃除する
2人が、皆に幸せが訪れる事を願って人を殺すのも仕事になった

｢殲滅用意………咬み殺せ｣

奪った匣アニマルの嵐ハイエナは使い勝手が良い
頭がちょっと悪い子達だけど、好戦的で、何より言う事は聞く

｢みんなお帰り、何か面白い物を見つけた？｣

お腹いっぱいで帰って来た子、まだ遊び足りない子、褒めろとお腹を向ける子
僕が手を差し出せば一斉に口を開く

今回の収穫は指がそれぞれ2本ずつと

｢(…真っ黒な…匣？何か、サイズがでかい)｣

試しに開くか此処で試すよりかは委員長の所へ持って行こうと思った
どんな収穫よりこっちの方がのめり込めて良い玩具になる

｢(今日もあの子を見つけられなかった)｣

彼の本心は自分自身で見つけ出したい、それがもう10年に近い
僕は言われ無くてもするのに、委員長は連絡を寄越せと言う様になった

特別これと言った感情は持ち合わせて無いにしたって
その為に死ねないとでも言うかの様な生き様は、見ていて痛々しい

｢(僕も似たようなもんか)｣

今は特にそんな有り様だから僕は正直、退屈だった
何か良い、面白い変化が欲しいと心から待ちわびていた

｢…何それ｣
｢匣に見える何か｣
｢……試した？｣
｢まだやで｣

僕がもう寝ようとしていた時
ずぶ濡れのあなたが帰って来たと思えば、匣の様な黒い何かを見せつけてきた

それの中身は気になるけど今は眠りたいし、それには触れてみたいし

｢上がらないで、投げて｣
｢…最低なご挨拶だなぁ…ほらよっ！｣

まるで動物に餌でもやるみたいに放られたそれを、僕は受け止める

｢(…胸が痛い…何かあるかも知れない)｣
｢……玩具は気に入った？｣
｢…明日…試そう｣
｢僕たぶん昼まで寝るから、起こさんでくれよ？｣

｢嫌だ…朝食の前にしよう｣

あなたは深いため息を吐いてから居なくなった
でも、あなたは僕の期待を裏切らないと信じてる