越前 ページ5
隠れなきゃ、なんて思った時にはもう遅くて
ｷﾞｷﾞｷﾞ･･･と嫌な音を立てて開く扉をただ見つめるしか出来なかった
？｢あれ｣
｢･･･あ｣
｢何、アンタもサボり？｣
帽子を深く被った
背の低い男の子
1年生？だろうか
｢あ、いや･･･｣
？｢？･･･まあいいや｣
男の子は1度キョトンとした顔をしたが、
私のことをさほど気にしてないようで
大きなバッグを枕にして寝始めた
あのバッグ･･･この子も、あの人と同じようにテニスをやるのかな
｢あ･･･じゃあ、失礼します｣
男の人と2人という状況に耐えられない私は
聞こえたかも分からないくらい小さい声でそう言って屋上を出る
はずだった
？｢ねえ、戻るの？｣
｢へ？｣
まさか引き止められるなんて思わなくて間抜けな声を出してしまった
？｢始業式。どうせもうすぐ終わるんじゃない｣
寝転がったまま淡々と話す男の子
なんだかあの人に似てる
｢あ･･･そ、なのかな｣
元々出てません、なんて言ったら面倒くさそうなので
適当に話を合わせる
？｢･･･もういいじゃん。今更｣
？｢そんなことよりさ、その上履きの色･･･3年生？｣
ｺｸｺｸと頷く
知らない男の子とこんなに話したのが久しぶりすぎて、声が出なくなってきた
？｢･･･そ。なんかちっこいから、同じ1年だと思ってたっす｣
今までのタメ口を申し訳ないと思ったのか、
さらに帽子を深く被り直す男の子
気にしないで、と言いたいが
これまた声が出ない
？｢･･･俺は、越前リョーマ。1年生｣
｢へ｣
越前｢アンタは｣
｢あ･･･たちばな、です。橘 A｣
勝手に名乗ってきたとはいえ相手の名前を教えて貰いながら、
自分を名乗らないのは失礼だ
ただビックリしてかなり小さい声になってしまったが、ちゃんと聞こえただろうか
越前｢橘先輩･･･ね｣
聞こえたみたいだ。
良かった。
越前｢橘先輩は、なんでこんな所に1人でいるんすか｣
｢色々、あって｣
越前｢･･･そ｣
越前くんは、私の返答に納得していないようだった
心做しか少し拗ねているようにも見えた
｢･･･越前、くんは、テニスをやるのかな｣
越前｢え･･･あ、まあ｣
私のいきなりの質問に驚いたのか、
目をまん丸にしながらも答えてくれた
そうか、やるんだ、テニス
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MOMO(プロフ) - とても面白いです！これからも頑張って下さい。 (2022年10月25日 16時) (
レス) @page32 id: 086efc5a74 (このIDを非表示/違反報告)
牧(プロフ) - 毎日の楽しみです！財前とこれからどうなるのかもワクワクですね！ (2022年9月4日 17時) (レス) id: 0d6f1959a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なち | 作成日時：2022年7月13日 22時
