あまのじゃくさん ページ27
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まったくもってあやふやなのだ。
このぎりぎりに水平が保たれる距離感。
なによ。
なによ、なによ、なによ。
わたしだってべつに待ってたわけじゃないし、ずっと想いつづけていたわけじゃないし。
そう、たまたまだ。
たまたま死神が人間になって、たまたまこうして再会できたから。
「ん・・・」
いつの間にか眠ってしまっていたようだった。
ふて寝もいいところだ。
そうは言っても、ラグのあたたかさと抱えたクッションの心地よさには勝てず、目が開いてくれない。
結局そのままうとうとしていると、ふいに、頭を撫でられる感覚。
「・・・A」
あ、だめだ。
起きるタイミングを見失った。
するすると髪を梳かれて。
指先で頬をつつかれて。
いつの間に掛けられていたのだろう、身体にかかったブランケットが肩まで引き上げられて。
「・・・あーーーーー、もう」
「・・・・・」
「かわい・・・」
おでこに、あたたかい唇が触れる。
わ。
うわわ。
死神って、けっこう、
「・・・・・」
甘々なんだな、なんて思いながら。
ヘッドホン片手にパソコン作業をはじめたその背中にもう一度くっつきに行くと、
「うわっ、なんやねん！」
ああ、なんか。
章大っておもしろいな。
「照れんなって〜」
「はあ！？照れてへんし！！」
こころが溶けていく。
あのときのチョコレートのように。
溶けて、染みて、絡みついて。
「しょうたわたしのこと大好きじゃん」
「どういう思考回路してんねんっ・・・てか離れろ！作業できひん！！」
「まあまあ、そんなこと言わずに〜」
「・・・なんかこの感じデジャブやわあ」
死神は、もう死神じゃない。
気持ちは声に出さなきゃ伝わらないって、知ってる。
でも、わたしたちはふたりともすなおじゃないから。
まあ、もうしばらくは。
べつにこのままでもいいのかな、なんて。
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眞光弓眸 - バレンタインらしい、とってもいい小説でした！ (2018年3月14日 21時) (
レス) id: f707b6af10 (このIDを非表示/違反報告)
べに(プロフ) - 安紀子さん» 安紀子さん、はじめまして！こちらこそ、読んでいただいてありがとうございました！何かすこしでも届けられたものがあったなら幸いです！(^^) (2018年2月15日 23時) (レス) id: c68c31e30a (このIDを非表示/違反報告)
べに(プロフ) - 安田ヨココさん» 安田ヨココさん、はじめまして！読んでくださってありがとうございます！そんなふうに言っていただけてうれしいです！おまけ、書き上がったら更新しますね(^^) (2018年2月15日 23時) (レス) id: c68c31e30a (このIDを非表示/違反報告)
安紀子(プロフ) - 初めまして(^^) 素敵な作品をありがとうございました。読み終えて、何だか暖かい気持ちになりました(*´ω｀*) (2018年2月15日 14時) (レス) id: 5200fb55a9 (このIDを非表示/違反報告)
安田ヨココ(プロフ) - べにさんの小説をはじめて読ませて頂きました。しょうたくんが涙を流す場面がとても心に打たれました！！！最後、再会ですかね！よければおまけ的なのをかいてほしいです^ ^ (2018年2月15日 8時) (レス) id: d4fbe2e5a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べに
| 作成日時：2018年2月14日 0時
