大変難儀な歩み寄り2 ページ9
いい子に会ったなあ。と、純粋にそう思う。こちらの態と値踏みするような視線にも目をそらさず、誠実に、むしろ挑むように切り込んでくる。それが実際に通用するかは別として、不器用なまでに真っ直ぐなその在り方が彼女の信念なのだろう。
一生懸命な姿勢は、見ていて大変微笑ましい。
最後に面談を終えた鬱が大部屋に戻ると、ふとグルッペンが口を開いた。
｢………お前はどう思った。｣
表情の読めない顔に主語のない問いかけ。しかしその意味を汲み取るのは難しくはない。
｢うん？まぁ、可愛い子やなあって。黒髪黒目は珍しいしなあ、ミステリアスでええんやない？｣
｢大先生。｣
｢はぁい、分かってるってトンち…僕は、合格やと思う。多分、僕らが言いたいことも分かってる。やり方はまだ下手くそやけど｣
僕らのことを知った時、彼女の顔に浮かんだのは最初こそ驚愕だったが、その次は｢悩んでいます！｣という表情だった。こんなに分かりやすい子おる？どんな環境で生きてきてん……。どうやらその悩み事は彼女の成すべきことと関係しているらしい。彼女が金を出して買う、言わば飼い主のような立場なのに、全員と対等に、それ以上に先達にそうするように、敬意をもって接してくれた。
｢これから私の手伝いをしなさい！｣って、命令してもよかったろうに。
どこか寂しい気配のする子だった。気丈に踏ん張ってはいるが、脆い部分があるのは隠しきれていない。そして、そういうのは、大変僕の好むところである。
｢Aちゃん、ええなあ……｣
｢うわ大先生きっしょ！！……お前、あんま変なちょっかいかけるんとちゃうぞ｣
まあ、そういうことで。と締めくくる。どうやら今後の方針はあの雛鳥を見守る方向で決まったらしい。猛獣揃いの我々をどこまでうまく扱えるかは、後はあの子次第だろう。
｢(いや最初は無理やろなぁ……)｣
ちょっとだけ少女が可哀想になって、自分はあまり虐めないでやろうと決める鬱だった。
その頃、別室にて。
｢っぶぇくしゅん！！！！なんだ今寒気が……今後全体的に良くないことが起きる気がする……やだあ………怖い…………｣
疲れと不安からすっかり気弱になった少女が泣き言を言っていたりする。
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反復横跳び(プロフ) - 倉の中の石さん» ふとこぼれる猟奇的な一面みたいなところにものすごく性癖を感じてしまうオタクなので……へへ……頑張って更新再開いたします…… (2020年1月24日 23時) (
レス) id: 96c6da8254 (このIDを非表示/違反報告)
反復横跳び(プロフ) - 薬味亭シャブ子さん» シャっシャブ子さんだ〜〜！、！！？？！？返信遅れてすみません、なんとか更新再開していきたいと思います！がんばります！ (2020年1月24日 23時) (レス) id: 96c6da8254 (このIDを非表示/違反報告)
倉の中の石(プロフ) - めっちゃ面白いです！もうゾムさんのところで｢はぁーっ｣ってなりました。神ですね。更新頑張ってください (2019年11月3日 15時) (レス) id: b9ac23ea5c (このIDを非表示/違反報告)
薬味亭シャブ子(プロフ) - コメント失礼します！！数あるオークションパロの中で一番すきです、描写がすごく丁寧で好きです。無理せずにこれからも頑張ってください、更新をいつまでも心待ちにしております (2019年11月3日 11時) (レス) id: b94aa3e9a3 (このIDを非表示/違反報告)
反復横跳び(プロフ) - みしろさん» ありがとうございます！冷え込みにやられて熱を出したりしていました！体には気をつけながらのんびり更新していきます！ (2019年11月3日 1時) (レス) id: 96c6da8254 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：反復横跳び | 作成日時：2019年10月20日 14時
