192 ページ25
「ウワー！ナワーブにもそんな時期があったんだー！」
「恋の話を聞くつもりがすっかりこっちの話にのめり込んでしまったわね」
『明日が命日ですもう殺されますもう嫌です……』
鼻をぐずぐずいわせて壁に手をついて皆に顔を背けた。
デミさんが気にすることないさとバシバシ背中を叩きながら笑う。
『責任一切取りませんからっ』
「あっはは！ラルは本当に面白い子だね！
はー……笑った笑った。さて、本題と行こうじゃないか！」
『はい？え、いや、何言ってるんですか』
「話が脱線しすぎたのはエマの責任なの！じゃあまずはイソップ君をどう思ってるかについて聞きたいなの！」
まだ話さなきゃいけないのか。
イソップをどう思うか？友以外に何がある？
『友人でしょうか。そんなに仲がいいというわけでもありませんので』
「クラークさんはどうなの？」
『前者に同じく』
「じゃあノートンは！？」
言葉に詰まる。
周りは黙りこくった僕の様子をじっと観察している。
両手の人差し指を合わせて目を左右に向けながら話し始める。
『えっとですね、その、仲間という認識なんですけど』
「その次は！？」
『僕自身としましては、もう少し話してみたいといいますか……まぁそれは彼がしつこくなきゃいい話なんですがね、ってうわ顔怖！！』
「もうあんた達くっつきなさいよ」
『もう磁石でくっつくのはこりごりです！』
「そういう話じゃないんだがな……」
腕組みをしてふんっとそっぽを向いたその時、ズキリと右腕が痛んだ。
見苦しい所を見せないように後ろを向いて包帯を外す。
紫色に変色した肘が膿んでいる。
『潮時かな……』
「大丈夫？」
『へっ、あ、大丈夫ですよ』
「そんなわけないじゃない」
後ろからマーサさんに覗き込まれて咄嗟に腕を隠すが、ばっと上に持ち上げられてしまう。
「エミリー、膿に効く薬はある？」
「医務室から取ってくるわね」
「痛そう、じゃ済まないよね！僕冷やす物持ってくるよ！」
『大丈夫ですってば！』
周りは親切心を持って行動してくれたのに、つい声を荒げてしまった。
『昔からの傷なんです。感覚が薄れてきてるだけで本当に大丈夫ですから』
「もっとダメじゃないの」
「使い物にならなくなる前にエミリーの言うことを聞いといた方がいいわ」
怒らせたら怖いんだろう。
僕は渋々承諾した。
「貴方が考えてるよりも大切に思われてる事を自覚した方がいいわね」
『誰にですか？』
「全員よ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 122人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「第五人格」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白狐-bilyakko-(プロフ) - リパ推しの雪さん» ありがとうございます！(*´`)更新頑張ります！！ (2021年3月1日 9時) (
レス) id: 6701540cff (このIDを非表示/違反報告)
リパ推しの雪 - すごい素敵な作品ですね！更新頑張ってください！応援してます！ (2021年3月1日 5時) (レス) id: e92c1b8c9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白狐ーbilyakkoー | 作成日時：2021年2月27日 1時
