あの傭兵に妹がいたようで【第五人格】 (ページ11)

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マイクside

マッチングルームに入ってきた初めての子、メディック君！
今まで色んな人を先輩呼びしてきたけど今度は僕が先輩だ！新鮮だなぁ！

って、そんなこと考えてる場合じゃなかった！解読！解読！！

「お、マイクか。悪りぃ、ちょっと触らせてくれ」

「わ！びっくりしたなぁもう！バチったじゃんか！」

「悪りぃつったろ」

絶対悪いって思ってないな。
そんな先輩を横目に僕は、メディック君の事を頭に描いていた。

あの子を一言で表すなら【寡黙】といった言葉が似合っているのかな。
パーティーでもあんまり喋ってなかったし…

彼の目に僕みたいなキラッとした光は1個もなかった。
役職名に［兵］って言葉が付いてたから、僕よりも大変な思いをしてここに来たんだろうなって勝手に考えた。

ハンターに見つかる事もなく暗号機が仕上がった直後くらいにイライ先輩と梟の声が甲高く無線機から響いた。

「俺行ってくるわ。お前は……今日解読だけしてろ！」

「ちょっと！僕の存在踏みにじらないでよ！」

別の暗号機に鼻歌歌いながら走って辿り着く。
そこにはいつのまに助け出されていたのか、イライ先輩がいた。

「あ、マイク君…良かった、治療を頼めるかな？」

「勿論だよ！…ナワーブ先輩は？」

「彼は私の代わりにチェイスをしてくれているよ。ところで、メディック君を見なかったかい？」

「試合始まってからまだ一度も会ってないよ？解読してくれてると嬉しいなぁ…」

先輩の治療を済ませて一緒に暗号機に手をかける。

「初手で捕まるとは情けないな…」

「先輩！余所見しないでよ！」

「うわっ！ごめんごめん…」

本当に悪いって思ってる？
適当に解読を進めていたら全ての暗号機が通電した。

僕は端末から

［早く逃げて！］

と打った。

そしたらナワーブ先輩の所から同じ信号、メディック君の所から

［ハンターが近くにいる！］

と送られてきた。その直後、ナワーブ先輩がダウンした。
が、すぐに無傷状態となりゲートから脱出したのが分かった。

2人で顔を見合わせる。

「何が起こったんだ？」

「分かんない…でも…出た方が良いのかなぁ。ほら………」

秒刻みで聞こえる

『早く逃げて！』

の声。

ハンターは失血死をさせるつもりかな。

僕らは

「先に行くよ！」

と言ってゲートから出た。

試合後、観戦ルームに急いだ僕達はそこで今日の試合の裏を見るのだった。

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