神に従い、神に逆らえ【オリジナル】

3。悪魔の役割 ページ5

香月は、他世界からきた、いわゆる悪魔である。


漫画などで見かける、独特な角や、長い尾はなく、人と同じ形をしている。




―――お、やっと来たみたい。


畳に、複雑な模様が浮かびあがり、その真上に、人影が現れる。




香月「すみません、遅くなりました」


綺麗な黒髪を短く切った、礼儀正しい悪魔、香月。

その表情には、いつも乱れがない。



A「今日は遅かったね･･････何かあったの?」

こちらの方に手招きをして、話を聞き出そうと試みた。




悪魔はよく、偏見だけで軽蔑されているのだが、それは少し間違いがある。


悪魔がいるから天使がいて、天使がいるから悪魔がいる。



幸せには必ず、不幸がついているのと同じである。

悪があるから善もある。




世界が善良な事だらけなら、生物は発達しないだろう?


合わない環境に勝とうと、自分の姿を変える、進化を繰り返している。



この世界は善だけでは成長しない。悪が必要不可欠なのだ。





悪魔は、自らが偏見を受けても、世界の為に仕事している事に、


誇りを持っているのだが、悪魔の末端になればなる程、



自分達悪魔が世界で一番偉い、と勘違いして

童話で出てくるような、意地悪な悪魔が多くなってきている。







香月「―――さっきの人は‥‥？見かけない顔ですが」

4。自由な悪魔『香月』→←2。嫌われたお姫様

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す