隊長二十九 ページ33
ザエルアポロside
『え？』
A様の顔色が一瞬曇ったがまた直ぐ何時もの笑顔に戻る。
『からかってるの？凄く驚いたわ』
“何も知らないくせに”
『駄目よ、告白はもっと可愛くて良い子にしなきゃ』
“貴方も私を置いて行ってしまうくせに”
『告白練習くらいなら付き合ってあげられるけど』
“私に愛させてもくれないくせに”
『誰に告白するの？ハリベル？誰にも言わないから教えて？』
“与えるだけ与えて何も返させないくせに”
彼女の声が聞こえる。
心の声が。
『ザエルアポロ？』
何事も無かったかの様に笑う彼女に何処か深い悲しみを覚えた。
ザエルアポロ「…………怖いですか？」
『何が？』
柔らかい手を優しく握る。
ザエルアポロ「愛を与えられるのが、置いていかれるのが怖いですか？」
僕の問にA様は手を強ばらせた。
『…………怖いわ。今までたくさんの子供達に置いていかれた。皆私を置いて遠くへ行ってしまう。ずっと愛していたいの』
A様は大粒の涙を流していた。
『置いて行かれるのはもう嫌なの』
“傍に居てくれるって約束したのに”
『貴方達も私を置いて行ってしまう、だから愛されたくなかったの。何時も何時も居なくなってしまうのだから』
泣き止んで欲しい、その一心で僕はA様の涙を指で拭く。
『手放したくないの、生きてて欲しいの。だから、だから』
チュッ
僕は自分の唇でA様の唇を塞いだ。
『んっ……』
ザエルアポロ「僕らは死なないし、貴女を置いて行かない。だからどうか、僕に、僕達に貴女を愛する事を許して下さい」
A様の涙は止まっていた。
優しく、優しくA様を抱きしめる。
壊れない様に、苦しめない様に。
『…………愛…して』
ザエルアポロ「え？」
『私を……愛して』
驚きと、嬉しさに言葉を失った。
ザエルアポロ「えぇ、えぇ！僕達が貴女様を愛します！」
A様に優しくキスを落として僕はA様を連れて自分の宮へ向かった。
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アイ(プロフ) - すごく面白いです！！！更新待ってます♡ (2022年12月27日 17時) (
レス) @page47 id: 452b64bb9f (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - ななりさん» 作者の誤字でした。誠に申し訳ありません。 (2022年11月30日 0時) (レス) id: cb9fe4e5d7 (このIDを非表示/違反報告)
ななり(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します！質問？なのですが、ノイトラの従属官はテスラだと思います！ステラは誤字でしょうか？ (2022年11月30日 0時) (レス) @page10 id: 40f404ad6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリス | 作成日時：2022年11月14日 12時
