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「お次は前回初イベントながら主催・オーディエンスからも高評価を得た期待の新人……ロボロォ〜!」
わぁっと上がるボルテージ、勢いよく吐き出すフォグとともに大きめのマスクをつけたロボロくんが登壇した
躑躅色の瞳がライトの反射で爛々と光る、そのギラつきにも似た鋭い視線に観客がさらに盛り上がっていった
前回よりも玄人向けにシフトしたイベント…ここでの評価が今後の活動の岐路になる
直前までガチガチに緊張していたが、例のルーティンをやっているのを見たし、ここから先はもう祈るしかない
「いやァ、実は同じ事務所に所属する事になりまして…コイツと身内なんですよ僕」
最終調整に入った彼を尻目に、いつのまにかこのイベントの司会進行役の仕事をもぎ取って来ていたチーノくんがマイクを握り直して軽快に話し出す
今までイベントスタッフとして関わって来たからか、今回のゲストのほぼ全員と面識があり進行を滞りなく行っていた
初対面のゲストとのトークも上々で、彼の良さが存分に引き出されている
「せやからね、コイツがもっと大きいイベント出るようになったらバーターで俺も司会役の仕事頂こうかな〜!と思ってましてね」
そこでドッと笑いが起きる
会場の暖め方もバッチリだ
準備が整うと、チーノくん側のライトがどんどんと絞られていき、ついにスポットライトがロボロくんだけのものになった
「それじゃあ、宜しくお願いしまーす」
______
「ロボロくん、すっごく良かったね」
「ホンマぁ?」
控室の椅子の上でへろへろと溶けていく彼、先ほどまであの数の観客を支配していたとは思えない力の抜けっぷりだ
緊張の糸が切れたのか、諸々の動きまで緩慢になっている…彼は差し出したペットボトルを受け取ると蓋を開け、ゆっくりと飲んでいく
「あ"ー、疲れたぁ」
「お疲れ様、休んでてね」
そう言って席を離れた、今は1人にさせてあげよう
控室の関係上、演目が終わったゲストは1時間以内の退出が求められていたが同じ事務所のチーノくんが出ずっぱりなので私たちは特例でイベントが終わるまで滞在が許可されている
が、他の人の演目を見て研究する予定らしいロボロくん(ストイックだ)とは違い私はロボロくんの出番が終わった瞬間からやることが無くてソワソワしていた
とは言えここで出来そうな仕事は全て済ませてしまったし…
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燕(プロフ) - 甘党主義者さん» ありがとうございます( ; ; )私自身この系統の話なんで無いの!?と思いながら筆をとった次第なのでそう言って頂けて嬉しいです!更新頑張ります!コメントありがとうございました (2021年10月17日 9時) (レス) id: 3ea3cbd8c6 (このIDを非表示/違反報告)
甘党主義者(プロフ) - 今まで色んなd!の小説読んできましたが、この小説は今まで見たことのない系統で凄い好きです..!! メンバーも色々登場してきたりして、今後の展開がますます楽しみです(*⁰▿⁰*)これからも更新楽しみにしています! (2021年10月12日 16時) (レス) @page45 id: 95a459f052 (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - ぴぴぴさん» ありがとうございますとても嬉しいです( ; ; )オレンジ色と夕暮は絶対掛け合わせたいなと思ってたので意図が伝わってニコニコしてます(キモ)モチベ爆上がりです!マイペースでいきます!コメントありがとうございました! (2021年8月24日 21時) (レス) id: 3ea3cbd8c6 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴぴ(プロフ) - 燕さんの書くお話が本当に大好きです……!ciの感情がぐちゃぐちゃになっているけど表に出さないようにしているところが好きすぎて爆発しました……。情景描写がとても上手くて、お話がわかりやすい所がすごいと思います…!これからも無理せず頑張ってください…! (2021年8月19日 12時) (レス) id: 60b2883e08 (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - 名無氏無名さん» ウワー!私こそ名無氏無名さんに読んで頂いてとても嬉しいです…嬉しいコメントありがとうございます!emさんに関しましては彼がしっかり出てきて描写される話も構想にあるのですが、もう少し先なのでそこに行くまでに私が力尽きなかったら出てくる…という回答です! (2021年8月16日 18時) (レス) id: 3ea3cbd8c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:燕 | 作成日時:2020年8月15日 22時