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さとみ「…」

なんで泣いてるんだろう。

自分でもわかんねぇや。

……ああ、そっか。

さとみ「負けた…」

負けたからだ、あの男にも自分にも。

あの立場でいい、って思っちゃったんだ。

満足しちゃってたから…

全部取り返された。

ころん「あー、莉犬くんに負けたのそんなに悔しかったかー」
莉犬「ごめんじゃんねえw」

空気を読んで、わざとからかってくる。

ありがたい。

さとみ「あーもーまじ俺ホント弱くなったな…w」

こんなにうじうじしてるの、ホントらしくないと思う。

自分でもわかってるんだけどなぁ。

さとみ「はぁ…」
莉犬「……もう一戦行きますかぁ!」
さとみ「やるかぁ!!」

俺は缶を開けてから再びゲームを開始した。

一回吹っ切れたから
たぶんもう大丈夫。

でもたぶん、一生Aさんの存在は
俺の頭にこびりつくだろう。

あんなにビビッと来たのは初めてだったから。

がっつり運命を感じたのは初めてだったから。

もうしっかり思い出して
しっかり洗い流そう。

そうしよう。

さとみ「帰るわ」
莉犬「なんでお前はそう唐突なんだよ…w」

もう今日はAさんに耽ることにする。

ころん「さとみくんお疲れ」
莉犬「お前も帰れ」

ころんは放って帰ろう。

さとみ「じゃーねばいばーい」

莉犬の家を出て俺はまっすぐ家に帰る。

酒飲んで、Aさんのこと考えよう。

さとみ「…」

初めてAさんを見つけたのはあの電車の中。

周りと違う空気を纏ったAさんに一目惚れしたんだ。

次に会った時にざくっと距離を縮めたんだ。

痴漢されて辛そうなAさんを見て
何も考えずに助けに行ってた。

その次に会ったのは全く知らない駅だった。

泣いている姿を見て
慌てて降りちゃったんだった。

初めて声をかけて初めて声を聞いて
初めて会話が続いたんだった。

あの時のハンカチのおかげで
Aさんとたくさん関われるようになったんだ。

関わることが多くなって喜んでたら
男の影をハッキリ感じるようになって。

デート(勝手に思ってるだけ)も何度かして、
その度にAさんの色気にやられそうになって。

酔ったときにだけ聞ける"さとみくん"。

今だって何度も思い出して
胸がぎゅっとする。

それで…徐々にAさんが上手く行って。

俺は失恋を悟ったんだ。

さとみ「…短えなぁ」

短いのに、濃かったな。

こんなん、忘れられるわけねぇじゃん。

もう諦めよう。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
忘れるために

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かりん(プロフ) - 犬田さん» ああああああありがとうございます!とっても嬉しいです!( ; ; )頑張ります!! (2020年3月17日 0時) (レス) id: 24f3758629 (このIDを非表示/違反報告)
かりん(プロフ) - @みんと*さん» ありがとうございます!頑張ります!! (2020年3月17日 0時) (レス) id: 24f3758629 (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - ぷりんすなお姫様からすとぷりの占ツク作者様はかりんさんが一番大好きで最近見かけなくて寂しいな〜なんて思ってたところなんです泣やっとかりんさんの作品が読めて嬉しいです(^-^)更新頑張ってください! (2020年3月16日 21時) (レス) id: 97eecc68d9 (このIDを非表示/違反報告)
@みんと* - めっちゃ面白いです!!頑張ってください! (2020年3月16日 9時) (レス) id: 520d4881dd (このIDを非表示/違反報告)
かりん(プロフ) - リト@歌い手色の占ツク民達さん» ええん嬉しいです( ; ; )ありがとうございます〜〜! (2020年3月15日 19時) (レス) id: 24f3758629 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かりん | 作成日時:2019年3月20日 2時

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