ぷりんすなお姫様 ２【すとぷり】

＊ ページ15

そっとジェルくんの膝を
こしょこしょすると、

ジェル「なにっ？！」

びくぅっと肩を震わせたジェルくん。

A「なんもないよ…w」

ジェル「びっくりしたあ…」

ジェルくんはふぅ、と一息ついて
また画面に向かった。

A「…w」

いい大人がそんなに跳ねる？w

今の光景ツボったんだけどw

A「…ふふっww」
ジェル「だからなに！！」
A「ごめんなんもないw」
ジェル「もー邪魔せんといて！！」

あんた色んな人の邪魔して
生きてきてるやろーがw

そんなこと言いながらも
私の手はぎゅっと握られたまま。

A「……」

ジェルくんの肩に頭をのせる。

ジェルくんの呼吸が近くて、

すごく心地良い。

ジェル「なんかええな」
A「ん？」

ふいにぽそっと呟いたジェルくん。

ジェル「恋人同士みたい」
A「えーw」

ジェル「今度のジェルボイスこんな感じにしよっかな」
A「えっちぃのじゃなくて？」
ジェル「そーそー」

ジェルくんはいつも
大好きってリスナーさんが言ってくれるから

それに対して自分の好きだってことを伝えるために

こまめにツイートしたり
それこそジェルボイスにしたりしてる。

リスナーさんが形にして伝えてくれるから
自分も形にして返そうと思うみたい。

いいなあ、その考え方。

A「御恩と奉公みたい」
ジェル「なんか聞いたことあるわーそれ」

助けてもらったらおかえしして、
そのおかえしのおかえしをして。

素敵な循環。

A「私も御恩と奉公したいなあ」
ジェル「したらええやん」
A「えー？」

ジェルくんは画面を見つめたまま
話を続ける。

ジェル「何もないときに"ありがとう"って言うだけでも繋がれると思うけどなー、俺は」
A「…」

そうだね、それ、いいね。

日頃から感謝の気持ちを持ち続ける。

配信者の心構え。


映画を一本見終わって
そのまま続けてもう一本見ることに。

なんかジェルくん、普通だな。

何もしてこない。

いやそれでいいんだけど、

なんか感覚麻痺してるのかな。

あ、そっか、ジェルくん好きな人いるんだった。

だから私に何もしてこないのかー。

うーん、なんだか、

ちょっとヤキモチ。

ジェル「あ、不細工がいるー」
A「ひどーい」

そんなに変な顔してたかな。

そういうのに敏感なジェルくん。

ジェル「これ見終わったら飯食おっか」
A「なんか作るよ」

あとでスーパーに行くことに。

カルボナーラ作ってあげよーっと。

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