憎しき彼に華を【神威】

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『ーーーーそんなわけで匿ってくれませんかね？旦那』


「そんなわけってどんなわけ？」





「話要約しすぎだろ、お前」と鼻に小指を突っ込んだ旦那がそこに付着した異物を私に飛ばす。サッと避ければ彼は私の前に出されたお茶にそれを落とした。





『旦那、殺していいですか？いえ、殺します。今すぐ殺します。この世にモラルを知らない輩は必要ありませんので。

異物混入で訴えますよ』


「そう怒んなって。つーか俺に依頼があって来たんだろ？聞いてやっから刀下ろせ」




·····ふむ、それもそうだ。
折角病院を抜け出して日頃の尻拭いの仕返しを沖田さんに擦り付けてきたのに、絶好の隠れ家を自分から壊してしまうのも馬鹿な話だ。





『ーーー簡単に言いますと、そこのチャイナ娘の兄貴を殺しに行こうかと思いまして』


「…どしてそうなったの。」


「神威に会ったアルか？！」


『へぇ、神威っていうんだアイツ』





万事屋三人が目を剥いたのは言うまでもない。
いきなり包帯だらけの女が訪ねて、チャイナ娘の身内惨殺を企んでるなんて言ったらそうなるのも無理はないか。





「神威さんを殺すなんて…いくらAさんでも無理なんじゃ、」


『眼鏡くん、そうやって何でもかんでも無理無理言ってたら駄目でしょ？そんなんだからキミはいつまで経っても童 貞なんだよ』


「僕は童 貞に誇りを持っていますからァァ！」




そんな叫びを上げるメガネを横目に差し出された煎餅にかぶりつく。





『まぁ、何はともあれ、アイツ等の艦の停泊場所も出発予定日も把握済みですので。

その間、犬共から匿ってもらいますよ』


「お前、自分の組織犬とか言って大丈夫なの？」





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