猫 ページ4
zm視点
さっき仕事が終わり、グーッと伸びをしながら帰路につく。前住んでいたところとそんなに離れていないので会社は同じ。まぁ少し遠くはなったが、結構良い場所なのでそこは目を瞑っている。夜道を呑気に歩いていると、暗闇に溶け込んだ何かが目の前を横切った。
「ぅえ！？」
「…あ、ゾムさん！」
知っている声が後ろから聞こえ振り向くと、見知った後輩が焦った様子で走ってくる。
「今猫がいましたよね！？どっち行きました！？」
「え、あ、こっちの道入っていったと思うけど…」
「あざす！」
そう言って彼はすぐに脇道の中へと駆け込んだ。…もしかしたら飼っているのかも。時間もあるしなんだか興味が湧いたので自分もその後を追うことにした。…にしてもここかなり狭いな。やっぱアイツ細すぎるやろ。大分時間がかかり、ようやく抜けた先が見えてきた。微かに見える光景にはショッピと、もう一人誰か映っている。怪訝に思い急いで出ると、衝撃で思わず目を見開いた。
「き、如月…さん！？」
「あ、ゾムさん」
俺の呟きに反応したのは当人とは違う人物。ありがとうございましたと軽く頭を下げてくる。お礼なんていいから早く猫を抱いている彼女のことを聞きたい。そのときようやく俺の存在に気づいたらしい、視線がぱちりと合い俺と同じように驚いたような表情をする。
『鳥居さん…？どうしたんですか』
「如月さんこそ、その猫…」
『あぁ、うちのコですよ』
「え！？」
「俺はAさんの猫探し手伝ってただけです」
…彼が猫を探していた理由はわかったが、まだ話が見えてこない。二人はどういう繋がりなのだろう。
『えっとそれで、鳥居さんはなぜここに…？』
「猫、彼が見つけてくれたんすよ」
『そうだったんですか…！ありがとうございます』
「…あのぉ二人はどういう…？」
「あぁ、Aさんは会社の上司です」
…ただの会社の上司にそこまでするものなのだろうか。淡々と答える彼に感謝と疑問を持ちつつ頷くと、何か考え込んだ末にあ、と声を発する後輩。
「すません、ワイはこれで」
ペコっと会釈しなぜか足早に去っていくショッピくん。残された俺らの間には気まずい空気が渦巻いていた。…正直置いていかないでほしかったわ。そんなことを祈っても戻ってこないので、なけなしのコミュ力でなんとか話しかけた。
「…とりあえず帰りましょか、もう暗いし」
『そ、そうですね』
彼女の腕の中にいる猫だけが冷たい空気の中のんびりとしていた。
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mofto(プロフ) - 夢魔さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます…！夢主ちゃんはちょっとサバサバしてるけど穏やかで優しい子をイメージして書いております。好みに刺さっているようで何よりです！これからも頑張ります！！ (3月24日 6時) (
レス) id: 98e777d10c (このIDを非表示/違反報告)
夢魔(プロフ) - 続きが気になる作品ありがとうございます！読んでて超楽しいし主人公さんの性格めちゃ好きです…！頑張ってください！！ (3月23日 23時) (レス) id: d093af63fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とーふ | 作成日時：2025年2月7日 18時
