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「もう一度聞くわね。
妹さんと連絡を取っている?」
…取っていません。
そう…と資料に何か書き込む上原さん。
「もし…もしね、妹さんが匿ってくれって言ってきたらどうするつもり?」
匿います。
私はあの子を見捨てられない。
もし、あの子が顔の同じ私を利用しているのだとしても私はそれでいい。
匿ってくれって言われたら匿ってしまうし、助けてって言われたら助けてしまう。
だって…たった1人の家族なんだから。
最後に上原さんが書いていた資料の内容を確認させてもらって、この日は警察署を後にした。
・・・
「たった1人の家族、ですか…」
「おそらくアイツが七瀬桃花と連絡取り合ってんのは間違いねぇ…
ただ証拠があがらねぇ。」
「おそらく履歴も消しているでしょうからね…」
マジックミラー越しの部屋に聴取を終えた上原も合流する。
「ご両親無くされて親戚とも深い繋がりはない…情状酌量の余地はありそうだけど…」
「得策ではないでしょうね。」
「とにかく!証拠がねぇなら現行犯でとっちめちまえばいい!
俺と上原は組織を追う。コウメイはあいつに張り込んでろ!」
バタバタと部屋を後にする2人を目で置いながら諸伏は容疑者のことを考えていた。
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作者名:ひねり揚げ | 作成日時:2023年3月14日 10時